「子どもなつかない…」小野市、再婚家庭向け冊子

YOMIURI ONLINE
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 子どもを持つ親の再婚家庭から相談が寄せられる児童虐待の防止につながればと、
小野市は、親と子どもの立場で、家庭内で起こりうる課題と対処法を紹介した
「ステップファミリー応援冊子」おとな編とこども編(いずれもA5判)を作成した。
市内の再婚家庭や市立保育所、幼稚園、小中学校などに配布する。(今村正彦)

 ステップファミリーは英語が語源で、
夫か妻、または夫婦とも子供を連れた再婚家庭をさしている。

 冊子は「おとな編」が26ページ、「こども編」は18ページで、市が各2000部を作った。
花園大の津崎哲郎教授(児童福祉論)が監修し、
市内の漫画家がイラストを担当した。
「こども編」は全ての漢字にルビをつけて児童に読みやすいよう工夫した。

 このうち、「あしたへ おとな編」は
▽ステップファミリーの基礎知識
▽新しい家族をスタートさせるとき▽子育てQ&A――など、
再婚してから子どもの成長までの段階順に構成されている。
「パートナーの子どもがなついてくれない」という課題には、
「急がず、遊んだり買い物に出かけたり、
楽しい経験を積み重ねることが良い関係につながる」と助言。
「パートナーの子供のわがままで困る」という問いかけには、
「新しい親が自分を本気で受け止めてくれるかを試す行動。
おおらかに受け止めましょう」としている。

 「家族になったよ こども編」では、
傷ついた子どもの「両親が離婚したのは自分のせいかな」という疑問に、
「離婚は大人の理由で、大人が決めたこと」とはっきり答えている。
「新しい家族といるのがしんどい」と、子どもがストレスを抱えたケースでは、
「おじいちゃんやおばあちゃん、保健室の先生といった、
安心して話せる相手に聞いてもらうと、イライラがどんどん小さくなる」とした。

 市子育て支援課によると、2012年度には児童虐待に関する50件の相談があった。
そのうち10件は子どもを連れて再婚した家庭からで、
「相手の子どもを愛せない」「生活習慣が合わない」などの声が寄せられた。

 同課は「決して一人で問題を抱え込まないでほしい。
家族の成長を楽しみに、力を合わせて幸せな家庭を築いてもらいたい」としている。
問い合わせは同課(0794・63・1645)。
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