ノロ感染拡大防ぐには

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 この冬、全国でノロウイルスによる食中毒が相次いでいます。

 静岡県浜松市で学校給食のパンが原因で多くの子ども達が感染したほか、
東京や山形でも集団食中毒が発生しています。 

 ノロウイルスは感染力が非常に強いのが特徴です。

 もし家族がノロウイルスに感染したら感染拡大を防ぐにはどうしたらよいのか、
専門家に聞きました。

 冬場に感染者が増えるノロウイルスは、
激しい下痢や腹痛をひきおこし体力の無い幼児やお年よりは
脱水症状など重症化することもあります。

 県内の医療機関の定点観測では、この冬、
感染性胃腸炎の患者は過去10年間の平均を上回っています。

 その原因のほとんどがノロウイルスと見られます。

 なぜ、冬場に多いのでしょうか?

 県衛生研究所ウイルス部長、医学博士滝澤剛則さん
「ウイルスはたんぱく質に覆われていて、冬場は安定しているから。
冷蔵庫の中で保存されているのと同じです」

 感染経路としては、カキなどの二枚貝を十分に加熱しないまま食べることで、
中にいるウイルスが体内で広がる場合、そして既に感染した人の
便や吐いたものからウイルスが手などに付着し、
そこからさらに広がるという経路が知られています。
食品は85度以上で1分以上加熱するとウイルスを壊してしまうことができますが、
見落としがちなのが、調理器具の汚染です。

 例えば、カキのパックに入っている水にもウイルスが含まれていることがあると
滝沢さんは指摘します。

 滝沢さん「袋を開けた後の水をちゃんと捨てる。
それを移し変えた容器や包丁、まな板は十分消毒して調理に使っていただく。
そういうことが大事だと思います。」

 また、感染者からの拡大では、乳児のおむつに下痢の便がついていた場合なども
用心が必要です。

 滝沢さん「便に直接手を触れないように手袋をしていただいて、
マスク、できればエプロン・前掛けをしていただいて
オムツを袋に入れて廃棄するとよいと思います」
 
 感染力がとても強いノロウイルス、家庭で感染の拡大を防ぐには、
市販の塩素系の漂白剤が有効です。

 日ごろの感染予防としては、濃度0.02パーセントの消毒液、
2リットルのペットボトルに漂白剤を10ミリリットル、
キャップ3分の2を目安に入れて水と混ぜ合わせます。

 これは、調理器具やおもちゃなどよく手で触るもののふき取りに有効です。

 もう1つは、感染者が吐いたものを処理するための消毒液、
濃度は0.1パーセントで、2リットルのペットボトルなら
漂白剤のキャップ2杯が目安です。

 消毒液を使う際は部屋を換気しましょう。

 患者が床などに吐いた場合、取り除く人がウイルスを体内に入れないよう、
マスクや手袋をし、ペーパータオルなどで静かにふき取ったあと、
ビニール袋で密閉して廃棄します。

 あとは改めて、ペーパータオルを乗せ、消毒液を含ませます。

 嘔吐した際、ウイルスはおよそ2メートル四方に広がっているおそれがあるので、
周囲も消毒液で拭き取ることが大切です。

 「ウイルスは口からはいりますからね、手を洗うことが大事・・・」

 ノロウイルスは感染しても症状が出ず、
気がつかずに感染を拡大させてしまうおそれもあります。

 家庭に限らず、食品を扱う事業所でも改めて
普段からの手洗いや消毒など注意してください。
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