親の「こうしないとダメよ!」は子どもの心に深刻な影響を与えると判明

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わが子可愛さのあまり、つい「こうしないとダメよ!」「これにしておきなさい!」なんて
口出しをしてしまうのが親というもの。

とはいえ、親からすれば“愛しているがゆえの口うるささ”。
子どもにとっては何の悪影響もなく、“親の愛情”と受け取ってくれるだろう……
と信じてしまいますよね。

ところが子育て情報サイト『MIND』にて、
児童精神科医の佐々木正美先生によると、
子どもは親の過剰な期待に“自分は親に信じられていない”と感じるとのこと。

そのままでは、自分も他人も信じられない子に育ってしまうのです。

■過剰期待は「あなたを信じていませんよ」というメッセージ

子育てで1番大切なのは、“人を信じる力と自分を信じるカ”を
育てることだという佐々木先生によれば、
「子どもは自分を信じてもらうことによって、信じてくれた人を信じます。
そして自分が信じられたことによって、自分を信じることができるのです」とのこと。

自分を信じる子になるためには、親が子どもを信じることが大切なんですね。

胸を張って、「私は子どもを信じている」と思う親も多いでしょう。
では“子どもの将来のために”と、
たとえば「運動にそこまで力を入れなくていいのよ」
「テストで10番以内に入らなくちゃ」「人前ではもっとしっかりして」なんて
口出ししていないでしょうか? 

佐々木先生によれば、「自閉症の研究で有名なレオ・カナーという教授は、
子どもに対する過剰期待は、親がどんなに子どもの将来を案じての愛情であるつもりでも、
子どもに伝わるメッセージの本質は “拒否”だと言うのです。
現状のあなたに満足しないということが過剰期待なのだから、
その満足しないという部分が伝わりやすいんですよ」とのこと。

親の過剰期待を、子どもは「あなたを信じていませんよ」という
メッセージに受け取ってしまうのですね。

■“子どものため”のつもりが“親のため”

親がいくら“子どものため”と思い込んでいても、
実際は子どもが自ら望んだことではありません。
たとえ「あなたのためよ」と口で言われたとしても、
子どもが納得するのは無理な話です。

「ママの言う通りにしなければいけないということは、
今の自分ではダメということ」。
こう考えるのは、思えば自身の子ども時代も同じではなかったでしょうか。

佐々木先生も「(親が)自分の考えは間違っていないんだ、
こうするといい子になるんだというふうに思っていることが、
実は自分の望んでいる子どもになってほしいという気持ちから
きていることがあります」とのこと。
“子どものため”が“親のために”になっているのですね。

■「そのままでいい」という愛情を
もちろん一定の努力は必要です。
では、親はしつけや教育をする上で、過剰にならないよう、
どう声かけをしていけばよいのでしょうか?

「それはこうしなくちゃね、こうできるといいね、と子どもに言いながら、
そうしなくても、できなくてもいいよということを言ってあげることです。
こうなったらいいのであって、こうならなくちゃいけませんというのは、
私は拒否につながると思っています」と佐々木先生。

自分を信じることができなければ、挑戦にも挫折にも弱くなり、
他人を信じることができなければ、健全な人間関係も築けません。
このような“学力でははかれない生きていく力”をつけるためにも、
そのままの子どもを信じてあげたいですね。
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