子供を性被害から守る検討委 「条例独り歩き」に反論 長野

msn産経ニュース
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 ■報道に違和感、被害女性が手紙

 子供を性被害から守る方策を検討する、
県の専門委員会(委員長・平野吉直信州大教育学部長)は
26日、6回目の会合を長野市内で開き、
大人からの性被害から子供を守る条例のあり方について議論した。
18歳未満との性行為を禁止する淫行処罰規定を盛り込むかどうかについての判断は、
次回の会合に持ち越した。
一方、前回の会合で自分が受けた性被害を証言した女性から、
報道に反論する手紙が事務局によって紹介された。

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 昨年12月26日に開かれた前回の会合で県内在住の女性は、
子供のころに知り合いの男性から性被害を受けた体験を証言した。
事務局の県次世代サポート課によると、女性は証言した翌日の新聞を読んで、
委員会での自分の発言が報道で十分に伝わっていないのではないか
-と疑問を持ったといい、事務局宛てに
自分の真意を改めて伝える手紙を送付したという。

 手紙の中で女性は、自分の発言を受けて行われた
前回専門委での議論を伝える報道について、
「『条例が独り歩きしている』という報道の扱い方に、
私もいったい自分は何のためにあの場面で発言したのか、
結果、分からずにいます」などと、苦しい胸の内を吐露した。

 女性の手紙に対して2人の女性委員が
「委員会では、被害者は悪くないという趣旨で議論している」
「事務局は議論の正確な経過を女性に伝えてほしい」と発言、
女性の心情に寄り添う意見が出された。

 これまでの地元紙の報道は、専門委の議論について、
条例化ということだけが先行している
▽淫行処罰規定により青少年の自由な恋愛に捜査機関が介入する可能性もある
▽条例に頼らず県民運動で青少年健全育成を進めてきた
これまでの努力に逆行する-などと主張。

 6回目の会合での議論を伝える27日の紙面でも、
女性の手紙には触れず、「条例制定を前提とした検討の進め方は、
全国で唯一、処罰で押さえ込む発想の条例を持たない
長野県民の取り組みを否定することにもなる」
「公権力の介入を伴う条例の制定に歩を進めている
専門委の現状は危うい」などと報じている。

 専門委はこの日、性被害の定義や性教育のあり方などについて議論し、
インターネットや子供の深夜連れ回しについて
何らかの規制が必要とする方向でおおむね一致した。
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