「教諭暴行で精神的被害」三郷特別支援学校の母子、損賠求め提訴

埼玉新聞
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 三郷市の県立三郷特別支援学校に通っていた複数の児童が
当時31歳の担任女性教諭による暴行で精神的被害などを受けたとして、
男児の1人と母親が27日、この教諭と県を相手取り
400万円の損害賠償請求をさいたま地裁に起こした。

 提訴したのは草加市の浦畑味希さん(40)と長男の男児(8)。

 訴状によると、男児は同支援学校に入学した
2011年4月から10月までの間、
担任の女性教諭から繰り返し暴力や暴言を受けていたという。

 原告は、当時教室で録音された女性教諭の言動から、
教諭が男児の顔を両手でたたくなどの暴行を加え、
児童らに「うるさいの嫌いなの」「帰ってくんな」などの暴言を発していたと指摘。
「障害者虐待防止法が定義する身体的虐待、
精神的虐待に該当する行為」としている。

 原告は学校側が、教諭の行為を把握しながらも
適切に対応しなかったとして学校や県教委の姿勢を強く批判。
「学校はもともと虐待に対して、
その予防や対策についての問題意識を全く欠いていた」と問題視した。

 学校側が提出した報告書については「虐待を隠蔽(いんぺい)し、
これを擁護するかのようなことをしており、態様は極めて悪質」と非難した。

 同校の児童に対する暴力をめぐっては、吉川署が昨年3月、
暴行の疑いで女性教諭を書類送検。
同12月、さいたま地検越谷支部が嫌疑不十分などで不起訴処分としていた。

 県教委は「訴状を確認した上で対応を検討したい。
再犯防止に取り組んでいく所存」とコメント。
女性教諭は現在、病気を理由に休職しているという。
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