「妊娠中温泉避けて」医学的根拠なし

NHK NEWS WEB
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環境省は、温泉の入浴上の注意などを定めた基準を32年ぶりに見直し、
妊娠中は入浴を避けるべきだとする規定を除外する方針を決めました。

国が昭和57年に設けた温泉の入浴上の注意や効用などを定めた基準では、
温泉旅館などに入浴を避けるべきだとして、
掲示を義務づけている「禁忌症」に、妊娠中であることを挙げています。
しかし、専門家から基準の見直しを求める声が上がったため、
環境省が温泉療養の知識を持つ医師などで作る学会に依頼して、
8年前から見直しを進めてきました。
その結果、妊娠中の人が入浴を避けるべきだとする
医学的な根拠がないことが分かり、
32年ぶりに新たにまとめた基準の案では、
妊娠中であることを「禁忌症」から除外しました。
環境省によりますと、妊娠中であることを「禁忌症」に含めた
明確な理由は分からなかったということで、
「妊娠の初期や末期は状態が不安定であることや、
おなかで足元が見えず、危険だということなどを
考慮したのではないか」としています。
また、新たな基準の案では、温泉の効用として掲示することを認めている
一般的な「適応症」の中に、新たに睡眠障害やうつ状態などの
「ストレスによる諸症状」と、「自律神経不安定症」を加えています。
環境省は新たな基準の案について来月7日まで広く意見を求めたうえで、
ことしの夏までに都道府県などに通知することにしています。
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