【広島県】送迎のわずかな隙に…保育園で車上荒らし相次ぐ

YOMIURI ONLINE
------------------------------------------------------------------------------------------------
 広島県福山市中心部の保育園で、子どもの送迎に来た保護者が、
車上荒らしに遭うケースが目立っている。

 車を離れたわずかな隙を突いた犯行で、
県警は「『ほんの少しの間だから』と油断せず、
車を離れる時は必ず鍵をかけて」と呼びかけている。

 福山東署によると、車上荒らしの被害は昨年3月から今月3日まで、
沖野上町、多治米町、南町、明治町の4か所の保育園で計6件発生している。
午後5~6時が最も多く、約2万円の入ったバッグが盗まれた被害もあった。
被害者は全員子どもを迎えに来た母親。
「すぐ戻るから」と車に鍵をかけていなかったという。

 昨年3月と6月、被害に遭った市内の保育園は、
送迎用の一時駐車場が狙われた。
6月の事件では、長男を迎えに来た母親が、
寝ている次男を起こさないようにとエアコンを付けたまま、施錠せずに車を離れた。
かばんは、外から見えないよう座席下に隠していたが、
長男を連れて約5分後に戻ると、財布が抜き取られていたという。

 現場近くでは、雨の中、傘を差さずにたたずむ
40歳代くらいの男が目撃されていた。
白いTシャツに作業服のズボン姿で自転車にまたがり、
駐車場の方を眺めていたという。
不審な男を見かけた女性は「駐車場は生活道路に面していて人通りも多く、
まさか車上荒らしが起きるとは思ってもみなかった。
あの男が無施錠の車を狙っていたのかも」と気味悪がった。

 車内に荷物を置いたまま、無施錠で母親らが車を離れるのは、
子どもの帰り支度をするのに手を空けておきたいという思いがある。
3歳の長女を迎えに来た母親(40)は
「子どもをチャイルドシートに乗せるので、
かばんで両手が使えないと不便」と漏らし、
別の母親(36)も「事件のことを聞き、
注意してロックするようになったが、子ども2人の手を引くのに、
余計な荷物は持ちたくないのが本音」と打ち明ける。

 この保育園では被害後、チラシを配り、
駐車場に看板を立てて警戒を呼びかける。
福山市も、全保育園に注意を促した。

 山本英雄副署長は「無施錠だと、1分間あれば盗まれる。
『すぐそこだから』と、荷物を残したまま、鍵を掛けずに、
車を離れることがないように」と話している。(東直哉)
------------------------------------------------------------------------------------------------