【福井】給食で漆器活用を 「和食」教育を推進へ

中日新聞
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 県は二〇一四年度当初予算案で、一三年に世界無形文化遺産に登録された
「和食」を活用し、ブランド戦略を進める方針を打ち出した。
小中学校の給食を通じて和食文化を守り育てる教育を推進し、
併せて「福井の和食」の魅力を全国に発信していく。

 和食教育推進には、三千九百万円を盛り込む。
食育の祖とされる石塚左玄(福井市出身)が、
食材を余すところなく丸ごと食べるよう説いた
「一物(いちぶつ)全体食」の教えに沿い、
地元の食材を丸ごと使ったメニューを開発する。
県内の栄養教諭がレストランなどと共に考案し、
各校で毎学期一回は提供できるようにしたいという。
通常の給食でも白米が主食の際は、みそ汁を中心に
一汁三菜を意識した献立にするよう推奨する。

 給食用食器にはプラスチック類が多いが、
器も含めた和食文化を子どもたちに伝えるため、
漆器などの伝統工芸品を導入する市町に補助金を出す。
全市町の新小学一年生に、越前塗、若狭塗の「給食用マイ箸」も配る。

 「福井の和食」の継承と普及事業には三百万円を計上。
天神講(一月二十五日)の焼きガレイなど、
年中行事と季節の食材を結び付けた「福井食の歳時記」を作るため、
県内の和食文化の情報を体系化する。
歳時記で宣伝したり県外で福井の食のフェアを開いたりする
発信事業には三百六十万円を充てた。

 西川一誠知事は「福井の和食文化は登録に大きく寄与した」と話し、
恐竜などと並んで「本物」で人を呼び込む戦略の中核と位置付けた。
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