いじめ:事件が57%増、摘発・補導の児童生徒は41%増

毎日新聞
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 ◇警察庁の2013年まとめ

 全国の警察が2013年に把握した学校でのいじめを原因とする事件は
前年比57%増の410件、摘発・補導された児童生徒は
同41%増の724人(いじめの仕返し18人を含む)で、
いずれも大幅に増えたことが警察庁のまとめで分かった。
大津市で中学2年の男子生徒が自殺した事件をきっかけに
13年成立した「いじめ防止対策推進法」でいじめの定義が広がったことや、
同事件以降、いじめ問題への社会的関心が高まったことが影響したとみられる。

 警察はいじめについて「反復継続して苦痛を与えること」と定義していたが、
13年に施行された対策推進法は一度の行為でも相手が苦痛と感じればいじめと定義。
「かっとなって一度だけ殴った」として傷害容疑で摘発した
加害少年もいじめにカウントするようになった。

 そのため、法施行前の12年は、
いじめを原因とする事件は260件だったが、新しい定義に照らすと335件となった。
13年はさらに75件増えており、警察庁は
「定義変更の影響だけでなく、被害少年や親から
相談を受け事件化する事案が増えた」としている。

 13年の事件を罪名別にみると、最多は傷害の146件で、暴行132件
▽恐喝28件−−などが続いた。
このうち、ブログで相手を中傷したり、
裸の写真をインターネットに流したりするなどのネットいじめは25件あった。
摘発・補導された児童生徒724人の内訳は中学生527人(73%)
▽高校生109人(15%)▽小学生88人(12%)だった。

 また、被害者の児童生徒381人の相談先(複数回答)については、
保護者70.6%▽教師39.6%▽警察などの相談機関21.5%−−などで、
16%はどこにも相談していなかった。

 いじめを原因とする事件数は1985年の638件をピークに
翌年以降は100〜200件台で推移し、近年は減少傾向だった。
12年は大津市の事件がクローズアップされたことで掘り起こしが進み、
26年ぶりに250件を上回っていた。【川辺康広】

 ◇いじめた側が答えたいじめの主な原因・動機

≪腹いせ≫

・いい子ぶる、生意気 21.7%

・よくうそをつく    6.6%

≪面白半分・からかい≫

・力が弱い、無抵抗  37.0%

・態度動作が鈍い    8.6%

≪違和感≫

・交わろうとしない   2.1%

・転校生        0.6%

*摘発・補導された児童生徒724人の供述などから警察が分類(複数回答)
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