【新潟県】虐待から守る「子どもシェルター」県内初開設へ

YOMIURI ONLINE
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 虐待などで家庭に居場所を失った子どもを受け入れる
一時保護施設「子どもシェルター」が、
今秋にも県内で初めて新潟市内に開設される見通しとなった。
行き場のない子どもを救う緊急避難所としての役割に期待がかかる。(深谷浩隆)

 子どもシェルター全国ネットワーク会議(東京)によると、
子どもシェルターは2004年に東京都内に初めて開設された。
虐待通告件数の増加で児童相談所の一時保護所が定員を超えるなど、
子どもの受け皿が不十分なことを背景に全国に広がり、
現在は9都道府県で運営されている。

 新潟では、昨年4月から県弁護士会子どもの権利委員会が中心となって
設立準備を進めてきた。
岡山県のシェルターの視察などを経て、
今年1月に運営主体となる「子どもセンターぽると」を設立。
6月には新潟市からNPO法人として認可される見込みといい、
その後はシェルターとする一軒家を探したり資金面を支える会員や
協賛企業を募ったりして、10月頃の開設を目指す。

 シェルターは、性被害などに遭う危険性が高く
緊急の保護を要する女子を対象とし、基本的に15~19歳の定員6人を予定。
主に児童相談所から一時保護措置の委託を受ける形で子どもを受け入れ、
常勤職員やボランティアスタッフらが寄り添って
食事や衣類を無償で提供する。
子ども一人一人に担当弁護士を割り当て、児童福祉機関とも連携しながら支える。
連れ戻しによるトラブルを避けるため、場所は公表しない。

 滞在は平均2か月程度を想定し、
その間に親子関係を修復させて家庭に戻したり、
児童養護施設や就労をサポートする自立援助ホームなど
次の居場所を探したりする。
虐待以外に、妊娠して家を飛び出した子や
交際相手から暴力を受けた子なども受け入れる。

 運営団体の理事を務める黒沼有紗弁護士は
「行き場のない子どもは潜在的にいるはず。
彼らにとって一つの選択肢になれば」と話している。
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