【大阪】子育てサポート充実 旭区、東成区、4月スタート

大阪日日新聞
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 大阪市旭区と東成区で4月1日から、新たな子育て支援の取り組みがスタートする。
両区とも、0歳から小学校入学までの未就学児に、
子育て支援施設などの利用履歴を記すほか、
利用手続きが省略できるカードを発行する。
各家庭の子育て環境を地域の関係機関が把握し、
子どもの見守りを強化することが狙いだ。

 旭区は「あさひキッズカード」を、区役所や関係施設などで
未就学児約4500人分を配布する。
乳幼児健診の受診状況や幼稚園などの通園、
子育て支援施設の利用状況をカードに書き込むことで、
一目で社会とのかかわりを把握できるようにする。

 健診や施設利用時に押されるスタンプを12個集めると
同区のマスコットキャラクター、しょうぶちゃんのグッズがもらえ、
さらには区内の商店29店舗ではカード提示で割引などの特典が受けられる。

 同区によると、高齢化率は市内24区で3番目に高く、
これまで高齢者対策に注力する一方、
子育て世帯への包括的な支援が手薄となっていた。

 カードの発行に先立ち、今月には医師会や幼稚園、関連施設など
約10団体でつくる「あさひ子育て安心ネットワーク」が発足。
子育て環境の課題解決に向け、情報を共有し合うのが目的だ。

 区内では2年前、親の虐待によって乳児が重篤になる事件が発生した。
キッズカードの利用を促進することで、
子育て中の親が社会で孤立してしまうのを防ぎたい考えで、
近藤義彦福祉担当課長代理は
「少しでも地域に出るきっかけになれば」と期待している。

 東成区では「ひがしなりっ子すくすく・つながるクラブ」を開設。
クラブ登録者には会員カードを発行し、
子育て支援施設を利用する際の手続きが省略できるようにする。

 登録申請は区役所で受け付けるが、
会員カードの交付は地域の主任児童委員が家庭を訪問して直接手渡しする。
狙いについて、中川正己保健福祉課長は
「子育て中の家庭と主任児童委員の関係構築」と説明する。

 各小学校単位で定期的に子育てサークルを実施している
主任児童委員を「一番身近な存在」として、相談がしやすい環境づくりを推進する。
中川課長は「地域の主任児童委員と連携し、
徐々に浸透させていきたい」と話している。
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