「漢字はひらがなより難しい」は嘘!実は漢字の方がやさしかった

日刊アメーバニュース
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みなさんは、「日本語は漢字があるから難しい」という話を聞いたことがありませんか?
日本生まれで日本育ちの人にとって”漢字・カタカナ・ひらがな”の使い分けは簡単ですが、
他の国の人が学ぶときなどは苦労する様子。
しかし実は、そんなことありません。
60~70%がひらがなで、30~40%が漢字で構成されている
”漢字かな交じり文”は、世界で一番読みとりやすい文章だと言われているのです!
そこで今回は、漢字よりひらがなが簡単な理由について、
『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』の
著者の立石美津子が少しお話ししたいと思います。

■漢字だとイメージできるから簡単

ほとんどの絵本がひらがなばかりで書かれていますね。
でも、ひらがなばかりの絵本は、大人が読んでも読みづらく、
意味もたいへん理解しにくいです。

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それで大人が読み聞かせするときは、
意味のある言葉の漢字に置き換えている人も多いのでは?
人間は一般常識にとらわれる生き物です。
先入観抜きによく考えてみても、今の常識”漢字はひらがなより難しい”が
正しいと言えるのでしょうか。
……というわけで突然ですが、ここで問題です! 
次の4種類の文字、どれが子どもにとってやさしくてどれが難しいと思いますか?
あ ・ 中 ・ 虫 ・ 蟻
これ、2歳の文字を全く読めない子どもたちを集めて実験すると、
100人が100人”蟻”の漢字を覚えるのです! 
よく考えてみると、この理由がわかります。
ひらがなは表音文字、つまり一字一字音を表すだけで
意味そのものを表していない単なる記号。
”あ”と見せられても色もなければ形もない、
何か具体的に頭に浮かぶものではありません。

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一方、漢字は表意文字、意味のある言葉。
”蟻”と見ると、子どもは頭の中に
実物のあの黒くて小さい”蟻”を想像し、すぐに覚えます。
同じ漢字でも、”中”はどうでしょう。
画数は少ないので小学1年生で習います。
しかし、”コップの中” ”部屋の中”と抽象的な言葉。
小学2年生で習う”上” ”下” ”左” ”右”などは書く面では簡単しれませんが、
記憶には留めにくいです。
それでは、”虫”はどうでしょう。
”中”よりはイメージが湧きますが、
世の中に”虫”という名前の虫は存在しませんから
”蟻”のようにパッとイメージできません。
ですから、”蟻”という漢字が一番子どもにはわかりやすいことになります。

■ひらがなはすぐイメージしにくい

要するに、「漢字は難しい」と考えてしまうのは、
書くことと読むことを一緒にするからなんです! 
”餃子” ”桃” ”苺” ”怪獣” ”消防自動車” ”麒麟”など、
すぐに頭にイメージできる文字はとても理解しやすいですよね。
また、ひらがなをバラバラで与えるということは、アラビア文字を見せられていることと同じです。

「漢字はひらがなより難しい」は嘘!実は漢字の方がやさしかった


意味のない記号の集合体を見せられている状態。
それでも、脳に障害がない限り、
私たち大人より記憶する能力の高い子どもは
ひらがなも覚えてしまいます。
筆者は長年、ダウン症の子どもを指導していました。
ダウン症なので、知的障害があります。
”蜜柑” ”苺” ”卵” ”焼売” ”牛乳”などの食べ物、
”犬” ”猫”などの動物”冷蔵庫” ”風呂”などの本人が概念としてもっている物を
漢字を使って教えると驚くほどよく覚えました。
しかし、漢字は何百字と記憶しているのに対して、
意味のない記号のひらがなは最後まで覚えることができませんでした。
そもそも学習は、やさしいものから難しいものへ階段を上らせることがポイントです。
障害がある子どもを相手に指導すると、何がやさしくて何が難しいのかが、
手に取るようにわかります。
健常児は漢字もひらがなも同じようによく覚えるので、
難易度が大人にはわからなくなってしまっているだけなんです。

このような話を聞くとひらがなより漢字が難しいなんて言えなくなると思いますが、
あなたはどのように感じましたか?
常識にとらわれていると真実が見えないことがあります。
どうぞ、これまでの教育観を捨てる勇気を
先生やお母さん方も持ってくださいね!------------------------------------------------------------------------------------------------