横浜・いちょう小 外国籍の児童ら7割 「多文化共生」41年で閉校

msn産経ニュース
------------------------------------------------------------------------------------------------
 外国籍や外国にルーツを持つ児童が全体の7割を超える
横浜市立いちょう小学校(泉区)が、学校統合により今年度で閉校する。
4月からは近くの市立飯田北小学校(同区)とともに
「飯田北いちょう小学校」が誕生する。25日には閉校式が行われ、
いちょう小に縁のある人々が閉校を惜しんだ。(古川有希)

 「言葉や文化が違っても、違いを理解することで
仲良くなれることはこれからの日本にも大切なキーワードとなる」

 この日行われた閉校式で、外国籍の女子児童はこう述べた。
現在も中国やベトナム、カンボジアなど10の国籍の児童が在籍し、
「多文化共生」を実践するいちょう小らしいメッセージとなった。

 同小は昭和48年に開校。
県営いちょう団地の真ん中に位置し、
同団地で20年以上前から中国残留孤児の家族や
インドシナ難民の入居が増えたため多国籍化が進んだ。
かつては児童数が2千人を超えたが、
団地住人の高齢化に伴って児童数も激減。
現在の総児童数は166人にとどまっている。

 団地に住む無職女性(79)は、
「自分の子供がいた頃は1学年10クラス以上あり、
授業参観も人が多くて廊下の窓からのぞくのがやっと。
時代の流れとはいえ、閉校は寂しい」と涙をぬぐった。

 10年以上同小を研究し、同小に関する著書もある
明治大学国際日本学部の山脇啓造教授も、
「学校が多文化共生の拠点となって、自治会、ボランティアともうまく連携してきた。
外国籍の児童の学習面だけでなく、
生活面でも自立できるまで長期的に支援している例は
全国的にも珍しい」と指摘する。

 同小は児童の母語や日本語能力に合わせた少人数教育を行っており、
統合後の指導態勢を不安視する保護者も多い。
田中秀仁校長(58)は、「統合後もきめ細かい指導は
続けてほしいと要望している」と話している。
------------------------------------------------------------------------------------------------