小樽の保育士不足が深刻化、札幌で求人増 新年度前、確保に奔走

Doshin web
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 【小樽】小樽市内の保育士不足が深刻化している。
市内6カ所の市立保育所は、新年度に必要な保育士が26日現在で計6人足りず、
市職員が知人のつてを頼るなどして人材確保に奔走中。
人手不足の背景には、札幌市の大幅な定員増などがあるとみられる。

 「例年、3月20日頃までには確保できていた。
これほど決まらない年は初めて」(市子育て支援課)。
市は毎年、新年度の入所児童数が判明する3月上旬に
臨時保育士15~20人を募集している。
今年は5日に17人を募集したが、採用が決まったのは11人。
市は小樽公共職業安定所を通じての求人に加え、
市職員に「知人、友人に保育士がいれば紹介を」と
メールで呼びかけるなど、確保に必死だ。

 民間の保育所も同様で、5人の募集に対し応募が2人しかなかった
認可保育所の所長は「非常事態。このままでは、
夏以降の入所希望者を断らざるを得ない可能性がある」と心配する。

 保育士の不足は、多くの人員配置が必要な3歳未満児の入所が近年増えているうえ、
札幌市が待機児童解消のため
「毎年千人以上定員を増やしているのも要因」と関係者は口をそろえる。
保育士養成課程を持つ札幌の私立短大の担当者は
「札幌の求人増などで内定は年々早まっている。
遅くとも1月末には求人を出してもらわないと間に合わない」と指摘する。

 待遇面での課題もある。
2013年の国の調査では、保育士の平均給与は
月額21万3千円(残業代等込み)で、
全職種平均の32万4千円(同)を大幅に下回った。
同職安によると、管内には25日現在で保育士の資格を持つ求職者が33人いるが
「待遇や勤務時間などの面で、他の仕事を希望する傾向がみられる」という。

 市内13保育所が加入する小樽市民間保育協議会の吹田友三郎会長は
「人手不足の解消には、保育所の委託運営費の見直しなど
国による抜本的な対策が必要。
それまでは現在と同じような状況が続くのではないか」と懸念している。(市村信子)
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