塾のノウハウ小学校に導入 武雄市、官民一体で教育改革

西日本新聞
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 佐賀県武雄市教育委員会は17日、考える力を伸ばす教育を掲げる
学習塾「花まる学習会」(さいたま市)と提携し、
来年4月から一部の市立小学校で塾のカリキュラムや指導法を取り入れた
教育を始めると発表した。
知識重視から、対話力や問題解決力を鍛える教育への転換を目指す。
児童は校区への居住を条件に全国から募集し、過疎対策にもつなげる。
官民一体による本格的な学校運営は全国初という。

 市教委によると、花まる学習会が「メシが食える大人に育てる」を理念に、
詰め込み型の受験勉強とは一線を画した教育を実践している点を評価した。
遊び感覚で数理的思考力をつける教材を使い、
読書と作文を中心に国語力を伸ばす指導法が特徴で、
これを小学校の授業に取り入れる。

 連携する学校では、道徳を除く全教科に「考える面白さ」を追求する塾の指導法を導入。
始業前の朝学習の時間に集中力を鍛える塾の問題集を解いたり、
総合的な学習の時間に異なる学年が一緒に野外学習をしたりする。
授業にはこれまでと同じ検定教科書を用い、
教員が学習指導要領に沿って進行し、塾の講師がサポートする。

 本年度は武内小を「武雄市花まる学園武内小学校」(通称)としてモデル校に指定し、
夏から連携授業を展開する。
来年度は、今秋のうちに市内全11小学校に
希望を募って地域住民の賛同を得た中から、2~3校を選定して新しい学校運営を始める。
市教委と塾は6月にも、来年度から10年間の提携協定を結ぶ。
契約料はなく、市側が塾講師の人件費や教材費を負担する。

 文部科学省で記者会見した樋渡啓祐市長は
「優れた民間のノウハウを活用し、世界一行きたい学校をつくる」。
花まる学習会の高浜正伸代表は「厳しい競争に生き残ってきた
ノウハウに誇りを持って(公教育に)入っていく」と述べた。
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