【石川】防災士養成し保育所に配置 保育士受講 市が大震災教訓に

中日新聞
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 金沢市は本年度、さまざまな災害の経験や知識を持つ
「防災士」をすべての市立保育所に配置する。
東日本大震災での被害を教訓として、自然災害や犯罪などから
子どもたちを保護するのが狙い。
一般会計当初予算に防災士の受講料八十万円を計上した。(出来田敬司)

 防災士はNPO法人日本防災士機構(東京都)の民間資格。
通常は人々の防災意識の啓発に努め、災害時には避難や救助、
避難所の運営などに当たることが期待されている。

 金沢市は市内の保育所十三カ所全てで、
各園の保育士一人に防災士の資格を取得させる。
リーダーシップのある中堅の保育士を想定しており、
火災や水害のほか不審者侵入などの緊急事態に備える。

 災害の際には園児を安全な場所に誘導したり、救急車が到着するまでの間、
動揺しないよう落ち着かせたりする。
資格を持った保育士が異動でいなくなることを想定し、
来年度もさらに各園一人ずつ防災士を養成する。

 東日本大震災では適切な避難ができず、
学校で児童生徒が多数死亡する惨事を招いた例があったため、
金沢市は教育現場での防災士の養成に着手。
市立小中学校でも二〇一三年度から三カ年の予定で各校に防災士を配置している。

 市こども福祉課の担当者は「災害があった際、
落ち着いて行動できる職員が必要。
市内での災害は決して多くはないが、
子どもたちの安全安心に取り組んでいきたい」と話している。 
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