所在不明の子供の実態把握へ 虐待防止で初の調査、今夏公表 厚労省

msn産経ニュース
------------------------------------------------------------------------------------------------
 児童虐待を防止するため、国は住民票がありながら
所在が確認できない子供の実態調査に初めて乗り出す。
厚生労働省は今月、全国の区市町村に対し、
今年5月1日現在で学校に通っていなかったり、
乳幼児検診を受けていなかったりするなど
行政機関が本人や保護者と連絡が取れない
18歳未満の子供の数を報告するよう求めた。
子供の数は今夏、公表する予定。

 住民票を元の住所に残したまま住まいを転々と変える
不安定な生活を送る親子の場合、自治体が生活実態を把握できず、
予防接種や保育相談などができないため、
健康上の問題や虐待が発生しやすい。
平成22年には大阪市内で、住民登録のない2人の幼児が
母親の育児放棄によって餓死する事件が起きている。

 文部科学省によると、就学時期になっても1年以上所在が分からない
居所不明の小中学生は705人(昨年5月1日現在、日本国籍のみ)。

 文科省では、就学期の子供が不明になっていることを
教育委員会が把握した場合、区市町村の母子保健課や児童相談所などに連絡し、
予防接種や児童手当の受給歴、虐待の有無などを照会し、
事件性がある場合は警察に相談するよう通知。
海外にいる可能性が高い場合は東京入国管理局に照会し、
出入国記録を確認するように求めている。

 今回の調査対象は外国籍の子供も含まれる。
厚労省によると、自治体が提出する所在不明の子供の中には、
(1)海外に出国している
(2)DV(ドメスティックバイオレンス)などで
住民票を残したまま身を隠している-ケースも一部含まれる見込み。
そのため、11月末までに、自治体がどのように子供を捜したかの報告を求め、
子供の実態把握の方法や課題も検討する。

 一方、住民基本台帳に登録されていても
転居先が不明で居住していないことがはっきりしている場合、
自治体の職権で抹消することができる。
その際、子供の住民登録そのものも抹消される。
厚労省虐待防止対策室は「現実に居住していなければ
行政として接点を持ちようがない。課題があれば総務省と協議する」としている。
------------------------------------------------------------------------------------------------