児童虐待発見者の4割 「何もしなかった」 県調査で判明 兵庫

msn産経ニュース
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 児童虐待を発見しても公的機関への通報をためらう傾向が強いことが、
県の県民意識調査で明らかになった。
その半面、県内各地のこども家庭センター(児童相談所)に寄せられる虐待の
相談件数は増加しており、潜在的な虐待の数が大きいことがうかがえる。
県は「地域の見守りが児童虐待防止につながる」と積極的な通報を呼びかける方針。

 調査は児童虐待に対する県民の理解度を把握しようと初めて実施。
昨年8~9月、県内に住む20歳以上の男女約4千人を対象に、
インターネットによるアンケートを行った。

 その結果、約80%が「児童虐待に関心がある」と回答。
児童虐待防止法で、虐待を発見した場合の通報が義務付けられていることを知っているのは
70・3%。通報者の秘密が守られることを知っているのは66・5%だった。

 一方、これまで実際に虐待を見聞きしたことがあるのは約10%。
発見した際の対応は、「特に何もしなかった」が44・7%で最も多く、
こども家庭センターや学校、警察など公的機関に通報したのは計28・7%にとどまった。
その他、「近隣・知人に相談」が21・9%、
「虐待された子供に声をかけた」が21・0%だった。

 何もしなかった理由は、「虐待かどうかはっきり分からなかった」が58・3%を占め、
「虐待した保護者から逆恨みされる」が24・5%だった。

 各地のこども家庭センターに寄せられる児童虐待の相談件数は
平成24年度で2418件で、防止法施行前の11年度(518件)の約5倍に増加している。

 県児童課は「虐待による子供の死亡事件などがニュースで報じられて関心は高まっているが、
通報は“密告”という悪いイメージでとらえられる風潮がある」と分析する。

 今後、県民に「通報は子育てに悩む保護者を救うことにもつながる」
と通報義務への理解を求め、保護者には
「子育てに迷ったときは一人で悩まず、
だれかに相談を」と呼びかけることにしている。
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