コーセー、10歳前後の小児期に肌質特性の大きな変化を確認

The Syukan Syogyo
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 コーセーは、ヒトの成長過程における皮膚の特性変化について調べるため、
幼少期から成人を迎える前(3~19歳)までの日
本人80名を対象に肌質調査を行った結果、思春期を迎える10歳頃を境に、
肌の状態を示す様々なパラメーターが大きく変化することを確認した。

 今回の調査では、対象者の「隠れシミ」の数を調べたところ、
10歳頃までは非常に少ない数であったのに対し、10代に入ると数は大きく増加し、
10代後半では成人とほぼ同数に達していた。
このことより、「隠れシミ」の増加が始まる10歳過ぎから
肌内部で局所的な色素沈着の形成が始まることが示された。
生体内でシミの形成に関わる変化が生じている可能性が考えられ、
これらの変化は紫外線によって促進されることから、
幼少期からの紫外線防御の重要性が示された。

 また、未成年者の肌は成人と比べて、
周りの温度や湿度の影響を受けやすいことがわかった。
気温、湿度の高かった日は、成人と同程度の水分量だったが、
気温が低く、乾燥していた日では水分量が顕著に下がっており、
その差も成人と比べて大きかった。
特に10歳未満の子供は、寒い時期の肌の水分量が成人よりもはるかに少なく、
肌が非常に乾燥した状態となっていた。
このことより、未成年者もしっかりとした保湿対策が欠かせないことがわかった。 

 さらに、頬部のキメをマイクロスコープで観察したところ、
幼少期では細かく整った、均質なキメが見られるのに対し、
10歳を過ぎた頃から頬部のキメが失われてゆくこと、
そしてその変化には個人差があることが観察された。
また、部分的な色素の沈着やキメの乱れが始まることも観察され、
その変化も個人差が大きいことが明らかになった。
よって、この時期の肌の変化が、その後の肌の「質感」や「形状」などの
特性に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。

 これまで同社では、2008年より年代別の肌特性の違いに関する
調査研究を実施しており、今回初めて未成年者まで対象を拡大しデータを取得。
その結果、幼少期からの成長過程における皮膚の生理学的、
形態学的変化を調査することで、
10歳頃を境とした大きな肌変化を捉えることが可能になった。

 従来、「乳幼児と成人」の違いや、「老化に伴う変化」に着目した研究が多かったが、
今回の研究により、未成年者の肌を考えるための重要な知見が得られたことから、
同社では研究結果を活かし、未成年者に必要なスキンケア理論の確立を目指していく。
また、今後もこれらの研究を進めることにより、
生涯にわたって健やかな肌を保つための化粧品の役割を追求していく。
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