「3年連続ゼロ」達成 宇都宮市の待機児童

東京新聞
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 宇都宮市で、保育所に入れない「待機児童」が四月一日時点でゼロとなり、
三年連続ゼロを達成した。
保育施設の定員を増やしたり、なるべく多くの施設を希望するよう
保護者に働き掛けたことが実った。 (後藤慎一)


 市は、四月一日と十月一日現在の待機児童数をまとめている。
このうち四月については毎年三十~四十人台で推移してきたが、
二〇一二年四月一日にゼロを達成。一三年、一四年もゼロだった。

 ゼロを達成できたのは、一つは市が待機児童解消に向けて、
民間保育施設の改築や、幼保連携型の認定子ども園の開設などで、
認可保育所などの定員を増やしてきたため。
一三年度は四百六十人増え、現在の総定員は八十二施設で計七千四百四十五人。

 また、希望する施設に空きがなくて入所待ちになるケースを減らすため、
申し込む保護者に対し、なるべく多くの施設を希望するよう働き掛けている。
車社会の宇都宮市では、自宅から多少遠くても、車で送迎すれば通園できるとの判断だ。

 多い場合は、第十希望まで挙げてもらうことも。
「車で二十分余計にかかる程度なら、希望に入れる」と応じる保護者も多いという。

 市役所の窓口は、午後七時まで対応。
保育所の位置が一目で分かる、大きな地図を使って説明する。
自宅から遠くても、勤務先に近い保育所があれば
「子どもさんが具合が悪い時、すぐ行けますよ」などと説得。
保護者の自宅に電話し、なるべく多くの施設を希望するよう促すこともあるという。

 ただ、三年連続ゼロといっても、実態を正確に反映していない側面もある。

 宇都宮市に限らず、待機児童を数える場合、
希望が合わずに申し込みを取りやめた場合(入所保留)や、
認可外保育所に入った児童はカウントしないことが多い。

 宇都宮市の場合、今年四月一日については、
新規・継続合わせて八千四百十四人が申し込んだが、
認可保育所などに入ったのは八千百九十三人。
定員を上回ったが、保育は可能と判断した。
残り二百二十一人が、入所保留となったり認可外保育所に入ったりした。

 また、年間を通じて待機児童ゼロというわけでもない。
一二年十月に九十三人、一三年十月は七十八人の待機児童がそれぞれ出ている。

 市の担当者は「場所的に送り迎えできる保育所がなく、入れない人もまだまだいる。
一年を通してゼロにするのが目標」と話している。
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