神奈川県「児童虐待死検証委」初会合 再発防止へ8月中に報告書

msn産経ニュース
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 厚木市下荻野のアパート一室で斎藤理玖(りく)ちゃん=当時(5)=が
白骨遺体で見つかった事件を受け、県は24日、
「児童虐待による死亡事例等調査検証委員会」の第1回会合を横浜市内で開いた。
委員長の鵜養美昭(うかいよしあき)日本女子大学教授(心理学)は
「子供の人権、命を守れるようにしっかりと検証する」と語った。
今後3~5回の会合を開催し、8月中に報告書をまとめる方針だ。

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 会合には鵜養氏を含む大学教授や弁護士ら4人の委員が出席。
冒頭、石川信之県次世代育成部長が
「児童相談所が関わっていたにも関わらず、
最悪の事態を避けることができなかった」と振り返った上で、
「事件をしっかりと検証、反省し、
二度と同じような事件を起こさないよう取り組む」と述べた。

 会合は非公開で行われ、平成16年10月に3歳だった理玖ちゃんが
アパート付近の路上にはだしで歩いているところを
厚木児童相談所に保護されたころの状況について問題点が話し合われた。

 当時は相談や通告内容を情報管理する際、IT化が進んでおらず、
担当職員が1人当たり100件ほどの案件を抱えていたことが、
関係機関との連携でチェック漏れが発生した要因ではないかとの意見が出たという。
また、当時は現在ほど深刻に児童虐待を受け止めていなかったことが
遠因にあるとの見方もあった。

 横浜市の雑木林で昨年4月、山口あいりちゃん=当時(6)=の
遺体が発見された事件をめぐり、県は転入時の対応と
就学状況の把握といった課題を挙げていたが、
今後はこれらの教訓が生かされたかについても議論を進める。
さらに、厚木児相が昨年3月、所在不明児童の確認を行った際、
理玖ちゃんの情報が漏れていたことなど事件発覚の経緯についても確認作業が行われる。

 会合終了後、鵜養委員長は「現代の日本では、
親が子育てをするという観念ではもう成り行かない時代になっている。
社会全体で子供を守り育てなければいけない」と厳しい口調で語り、
「地域の目を補充するために、公的機関をどのように位置づけていくべきか。
提言に盛り込む必要がある」と指摘した。
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