磨かれてます幼児の感性/高松市「芸術士」好評

SHIKOKU NEWS
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 若手アーティストらを「芸術士」として幼稚園・保育所に派遣する
高松市の事業が広がりを見せている。
「子どもの感性や創造力を育める」と好評で、本年度は過去最多の35施設が派遣を希望。
市を挙げた活動のブランド力を高めようと、
運営を受託するNPO法人が今春、芸術士の名称を商標登録するなど
取り組みの一層の拡大に向けた動きが起きている。

 芸術士は、絵画やダンス、音楽などのさまざまな分野で創作活動を行う傍ら、
保育所などに出向いて園児らと表現活動を行うアーティストを指す。

 高松市の芸術士派遣事業は、イタリアのレッジョ・エミリア市が行う幼児教育をヒントに、
全国に先駆けた試みとして2009年11月にスタート。
事業の運営をNPO法人「アーキペラゴ」(三井文博理事長)に委託している。

 09年度は芸術士8人が公私立28の保育所・園を訪問。
12年度からは派遣先に公立の幼稚園が加わり、本年度は計35施設に拡大した。
事業の浸透に伴い、芸術士の人数も増え、現在は16人が活動している。

 同市屋島西町の屋島保育所(松原正子所長)では、
本年度から芸術士の派遣を希望。
コンテンポラリーダンサーのカタタチサトさんが週1回程度、
3~5歳児の保育に参加し、音楽に合わせたダンスやパフォーマンスを通じて、
子どもたちの自由な発想や表現力を引き出している。
松原所長は「みんなとても楽しみにしていて、
感性を伸ばすきっかけになっている」と話す。

 一方、取り組みの発信力の強化に向け、
アーキペラゴでは市と協議した上で、芸術士の名称の商標登録を申請し、
3月末に認可された。

 活動の評判は市内外に広がっており、
他市の幼稚園などからも芸術士の派遣要請があるという。

 三井理事長は「芸術士の派遣は子どもたち一人一人の個性を磨くとともに、
作家にとっても創作活動のエネルギーになる。
活動をさらに広げていきたい」と意気込む。
市子ども園運営課も「未来の高松を担う子どもたちの可能性を伸ばす試み。
引き続き、より多くの参加を呼び掛けていく」としている。
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