日本の先生 一番忙しい OECD中学校調査

東京新聞
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 経済協力開発機構(OECD)は二十五日、
世界各国の中学校の教員を対象に実施した学校での指導状況や
勤務環境に関する調査結果を公表した。
日本の教員の一週間当たりの勤務時間は、
調査に参加した三十四カ国・地域の教員の平均三八・三時間を大幅に上回る
五三・九時間でトップだった。日本の教員の多忙さが、国際的な調査で初めて確認された。

 調査は二〇一二~一三年に行われ、〇八年に続き二回目。
日本は今回が初参加で、昨年二~三月、中学と中高一貫校
百九十二校の校長と教員約三千七百人が回答した。

 勤務時間の調査で特徴的だったのは、授業以外の課外活動に使った時間の比較。
参加国平均の週二・一時間に対し、日本の教員は部活動も担当しているため、
週七・七時間と突出していた。
生徒指導と直接関係のない書類作成など事務作業に費やした時間も、
日本は週五・五時間で平均の週二・九時間を上回った。

 逆に授業の時間は、日本の教員が短い。
参加国平均が週一九・三時間に対し、日本は週一七・七時間。
授業の計画や準備に充てた時間は、日本は週八・七時間で、
参加国平均の週七・一時間とほぼ同じだった。

 調査では、担当教科の知識や指導法など、
教員自身の技能を磨くための研修参加を妨げる要因も聞いた。
日本の教員の86・4%は「自分の仕事とのスケジュールが合わないため」と回答し、
参加国平均の50・6%を大幅に上回った。

 日本の教員は、指導に関する自己評価の低さも目立った。
「生徒に勉強ができると自信を持たせることができる」と答えた教員は、
参加国平均の85・8%に対し、日本は17・6%。
「勉強にあまり関心を示さない生徒に動機づけをすることができる」と答えた教員も
日本は21・9%で、参加国平均の70%と開きがあった。
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