学童保育の年齢引き上げに対応 課題も山積

AGARA
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 2015年4月にも学童保育の対象年齢が引き上げられるのを前に、
和歌山県紀南の自治体は受け入れ態勢の整備を検討している。
「現状でも定員を超過しており、拡充は難しい」
「施設や人員確保が困難」といった課題が出ている。

 子ども・子育て関連3法が来年度に施行されるのに伴い、
児童福祉法の一部改正で、放課後に留守宅児童を預かる学童保育の対象が
「おおむね10歳未満」から「小学生」に拡大される。

 新基準を前に、田辺市は昨年12月に小学1、2年生の保護者1136人を対象に、
子育ての実態や要望を把握する調査をした。

 調査によると、小学校高学年に希望する放課後の過ごし方(複数回答)は、
自宅(68・9%)が最も多く、次いでピアノや学習塾などの習い事(65・8%)、
祖父母宅や友人・知人宅(28・0%)。
学童保育は13・0%だった。低学年は学童保育が27・2%。

 利用経験は「ない」が65・7%で最も多い。
理由は「家族が子どもをみている」が64・1%で最も多く、
次いで「利用料の負担が大きい」(22・7%)、
「通学区に学童保育がない」(18・9%)だった。

 田辺市の28小学校区中、学童保育があるのは12校区。
市内の小学1~3年生1888人のうち、学童保育に登録しているのは22・4%、
設置校区に限定すると27・8%。

 子どもを預かってくれる祖父母や親族がいる人は「日常的に」が36・3%、
「緊急時に」は54・1%いた。
ただ、「心苦しい」「祖父母の身体的、精神的負担が心配」など
預かってもらうことに負担を感じる人が54・4%いた。

■受け入れ態勢さまざま

 上富田町は1~3年生を優先しているが、空きがあれば4年生以上も受け入れている。
対象が拡充すれば、学年を問わず先着順とすることも検討するという。

 白浜町とすさみ町は従来通り小学1~3年生を対象にするが、
白浜町は「今後、年齢引き上げを前向きに検討したい」としている。
みなべ町と田辺市は新基準に向け対応を検討している。

 みなべ町では、町内に2カ所ある学童保育所とは
別に学校の余裕教室を活用した「放課後ふれあいルーム」を
今月16日から、2校で始めた。6年生まで対象にしている。
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