千葉市、小中学校エアコン却下 議会「耐える能力必要」

朝日新聞
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 千葉市議会は25日、市立小中学校と特別支援学校の教室に
エアコンの設置を求める請願について、
「耐える能力も必要」「トイレ改修が先」などとして不採択にした。
首都圏3県の政令指定都市では、相模原市が今年度から設置を進めており、
教室にエアコンがないのは千葉市のみとなる。

 請願書は「扇風機では限界を超えた暑さに太刀打ちできない。
学習環境を整え、学習に集中できるように」などと、
熱中症予防策としてエアコン設置を求めていた。

 千葉市教委の試算では、対象となる計175校の教室に必要なクーラーは
2800台分で約76億円。
本会議に先立って請願を審査した12日の教育未来委員会では、
自民党議員が「環境への適応能力をつけるにはある程度、
耐える能力を鍛えることも必要だ」と発言。
共産党を除く全会派が「老朽化したトイレの改修を優先すべきだ」
などを理由に反対に回っていた。

 請願は市民団体「新日本婦人の会千葉支部」が6月定例市議会に提出。
市民の署名活動を続け、現在、約1千人分が集まっている。
小中学生の親で請願手続きにかかわった楠本三佳さん(39)は
「昔と今では環境が全く違い、暑さが教室にこもりやすい。
子どもが熱中症になってから設置を検討しても遅い」と話している。(上田学)
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