「園児ココ」で位置情報 山元で保育所に導入

河北新報
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 山元町は、災害時に簡単な操作で位置情報などを送信できる
電子メールシステム「園児ココ」を町内の公立保育所全2カ所に導入した。
沖縄県宜野湾市の業者が開発し、同県外の自治体で取り入れたのは初。
東日本大震災を教訓に、両保育所で23日実施した避難訓練で早速、使用を試した。
 「園児ココ」は子ども用携帯電話を改良。
機器付属の防犯ブザーのひもを引くと、現在地の地図を示す
URL(アドレス)と事前に登録したメッセージ入りのメールを保護者に何度でも送れる。
多人数に一斉送信できるのが特徴だ。
 沖縄県宜野湾市のインターネットサービス業奥浜正樹さん(34)が開発した。
同県内の沖縄市、金武町が導入しており、山元町は3例目。
2保育所に各1台配備する。
 23日の訓練は、震度6強の地震で宮城県沿岸に
大津波警報が発令されたという想定で行われた。
 同町山寺の北保育所では、園児約80人が校庭に一次避難を終えたのを確認した
三門弘子所長が、ひもを引いて最初のメールを送信。
その後は熱中症対策で園児を残し、園児と集団で行動しているという想定で
三門所長が1人で約700メートル先の山下中まで移動しながら定期的に情報を送った。
 三門所長は「震災の時は保育士が手分けして保護者に電話連絡したが、
つながらなくて何度もかけ直した。
簡単な操作で位置情報を送信でき、
保護者も迎えに来やすくなる」と効果を語る。
 震災で町内に3カ所あった公立保育所のうち、
東保育所は津波で全壊して園児3人が犠牲になり、北保育所に統合。
南保育所も揺れで壊れ、代替施設で保育を続ける。
 町保健福祉課の担当者は「災害時に子どもの居場所が把握できれば、
保護者も安心して自分の身を守る行動を取りやすくなる」と話す。
開発した奥浜さんも「昨年、被災3県を回って機能を説明した。
導入する被災自治体が広がればうれしい」と言う。
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