変わるスクール水着 「スカート・フリル付」も 露出抑え、女子児童狙う性犯罪防止効果も

ITmediaニュース
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 小学校ではプール開きが行われ、水泳の授業が始まっている。
ところが最近、女子児童が着用する「スクール水着」が変化している。
かつては肩から足の付け根付近までを覆う、
飾りのないシンプルな「ワンピース型」がほとんどだったが、
上下が分かれたセパレートタイプや、短パン丈のオールインワン、
スカート付きやフリル付きも登場している。
そこには、子供の肌をあまりさらしたくないという親心とともに、
「スクール水着を学校の授業だけで使うのはもったいない」
という意識も働いているようだ。
(木村郁子)

従来型は肌の露出が気になる

「うわーっ、冷たい」「気持ちいい」。
プールサイドで児童の歓声が響く甲南小学校(神戸市東灘区)。
次々とプールに飛び込む児童の水着は、女子は全員、
すべて短パン丈のつなぎ型のオールインワンだ。

「2年前に学校指定の水着を女子児童はワンピース型から、つなぎ型に変更しました。
実は児童の反応はいまひとつですが、保護者には好評です」と
同校の祢津芳信教頭。変更をきめた理由のひとつには、
子供をめぐる犯罪が多発する中、肌の露出を少なくしたい、
という保護者の声があったという。

 娘が3年生に在籍している、松尾知子さん(41)は、
「昔ながらのスクール水着では、体つきの変わる高学年になれば、露出が気になります。
このタイプは腰から太ももまで体を覆うので安心です」と話す。

親は安心、児童も喜ぶ

 体育用品の企画製造販売大手のフットマーク(東京都墨田区)によると、
平成19年ごろから、オールインワンをはじめとした
露出の少ない短パンタイプの水着の売り上げが、
従来のスクール水着を上回るようになったという。
理由は「不審者対策もそうですが、セパレートの場合は
着脱のしやすさもあるようです」と同社広報担当の吉河祐子さん。

 さらに同社は昨年から、腰回りと肩紐部分にフリルをあしらい、
スカート風のスクール水着を発売。
「小学校の水着は色が黒や紺と決められ、かわいくない、
とがっかりしていた女子児童に人気です」。
スカート部分が女子児童が気にする腰回りなどを隠す上、
防犯上もよいと保護者にも人気で、
昨年は予想の10倍を超える売れ行きだったという。

ゆとり教育の影響?

同社によると、水着は従来、学校の指定店で決められたタイプを
購入するのが一般的だった。
しかし、2000年代に入ると、ゆとり教育の影響で体育の授業時間が
減少、必然的に水泳の時間も減ったため、保護者の間から、
「少ない時間なのにわざわざ学校指定の水着を購入するのはもったいない」
という声が上がるようになった。

 そこで、学校側は色だけを指定、あとは各家庭に任されるので、
量販店で安価な水着を買ったり、逆にネットでしゃれたタイプを購入し、
家族や友達と海やプールにいく際にも使う、といったケースが少しずつ増えてきたという。

 ネットショップ最大手の楽天市場で扱う女子児童のスクール水着は約440点。
このうち、従来のワンピース型のスクール水着は約半数にとどまり、
「セパレート」や「オールインワン」、「スカート付き」などが増えている。

 「スクール水着の相場は2000円から3000円。
セパレートタイプはやオールインワンタイプは、200円から300円高いものの、
機能性、防犯性などを考えて、選ばれるようです」と、同社広報担当の代田真麻さんは話す。
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