【子育てなんでも相談室】 死を怖がる子供に説明するには…

msn産経ニュース
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 Q 5歳の息子がいます。亡くなったおじいさんと子供の交流が描かれた絵本を読んだ後、
突然、「みんな死ぬの?」と不安そうになり、
翌日からは「ママは死なないで」「死んだら僕も一緒に天国へ行きたい」
と泣きながら言うようになりました。
良い機会だと思い、死について説明し、
ママ(私)が死ぬのはずっと先、と安心させたりもしましたが、
気持ちは治まらないようです。

 A 小さな子供は「死ぬ」という言葉は知っていても、
具体的なイメージはつかみにくいものです。
絵本を通してそれが分かったお子さんは、ショックだったかもしれませんが、
おっしゃる通り、本当に良い機会だったと思います。
ごまかさず、きちんと説明したり、安心させたりしたお母さんの対応もナイスです。

 それでも、毎日のように聞きにくる、それも泣きながら、
というのは、お子さんの感受性の強さと
性格的な優しさを物語っているだけなので、心配は不要だと思います。
これからも聞きにくるようであれば、
とにかく、安心感を与える言葉をかけ続けてください。

 私は保育士時代、子供は言葉次第で随分変わることに気づきました。
例えば、「片付けないと散歩に行かないよ」では動かなかった子供が、
「片付けたら行こう」で、すぐに片付けるようになったり、
「まだ食べていないからダメ」ではなく、
「全部食べたらOK」で、俄然(がぜん)、張り切って食べるようになるなど、
子供は言い方ひとつで安心感のようなものを感じるようです。

 「ママも死ぬの?」と聞かれたときも、「ママが死ぬのはずっと後だよ」ではなく、
「ママはまだまだ死なないよ」と言うと、
意味は同じでも、「死なない」の言葉で安心します。

 今回は、死というものを怖がるようになったというよりも、
お母さんもいつか死ぬことを知り、それが悲しくてたまらなかったのだと思います。
お母さんのことを大好きな証拠で、むしろほほ笑ましく思いましたよ。
(こどもコンサルタント 原坂一郎)
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