猛威をふるう夏風邪「ヘルパンギーナ」、冬の風邪とどうちがう?

日刊アメーバニュース
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夏の間から秋ぐちにかけて流行する「夏風邪」。
今年はなかでも、「ヘルパンギーナ」が猛威をふるい、
過去10年間でもっとも多い患者数を記録しました。
国立感染症研究所がまとめた全国の報告数によると、
関東や西日本ではピークを越えたとされますが、
北海道や東北五県(福島を除く)では引き続き増えています。
ヘルパンギーナとは、どのような病気なのでしょうか。
東京都健康安全研究センターに聞きました。

■突然の発熱や頭痛、そして「のどの水泡」が特徴

「ヘルパンギーナは『プール熱』『手足口病』と並ぶ、代表的な夏風邪のひとつです。
これらに共通する症状として、38度以上の発熱やのどの痛みがあります。
さらに、ヘルパンギーナの場合、のどに水疱(すいほう)ができるのが特徴です」
(東京都健康安全研究センター)

風邪というと、冬場に流行るイメージがあります。
でも、夏と冬ではそもそも、風邪の原因となるウイルスもちがうそう。
ウイルスは一般的に低温で乾燥した環境を好む傾向があります。
ところが、ヘルパンギーナは高温多湿な環境で活発に活動。
咳やくしゃみなどからの飛まつにふくまれるウイルスが
鼻やのどの粘膜に付着することで感染します。

ウイルスが原因のため、病気そのものを治す薬はなく、
解熱鎮痛薬で熱を下げるなどの対症療法が中心です。
口の中に水疱(すいほう)ができ、ひどく痛むため、食事がとりやすいよう、
柔らかく、薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
一般的に2~4日で熱が下がり、7日程度で治癒するとか。

■「大人がかかると重症化する」の実態は?
ヘルパンギーナは「大人がかかると重症化する」と報じられ、話題になりました。
しかし、東京都健康安全研究センターによると
「大人の罹患(りかん)者はさほど多くありません」というのが実情のようです。

「東京都では、患者全体の約95%を6歳以下の乳幼児が占め、
中でも2歳以下が約60%を占めています。
もちろん、大人がかかることもあるので油断は禁物です。
特に気をつけたいのは、家庭内で子どもから二次感染するパターン。
また、保母や幼稚園教諭など小さな子どもと日常的に接する職業の人も、
感染リスクは高まります」(東京都健康安全研究センター)

感染を防ぐには冬の風邪と同様、
こまめな「手洗い」と「うがい」が重要だそう。
また、3~4週間は便にウイルスが排泄される点も要注意。

「幼稚園や保育園、学校はもちろん、家族間でもタオルの共用は避けましょう。
また、せき・くしゃみをするときはティッシュで口や鼻をカバーするといった
『咳エチケット』を子どもの年齢に応じて教えることも大切です」(東京都健康安全研究センター)
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