認可外施設で女児死亡、ずさん保育に遺族憤り 行政にも批判 栃木

msn産経ニュース
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 「娘が苦しんでいるのに、なぜ連絡してくれなかったのか」。
宇都宮市の認可外保育施設で7月、生後9カ月の山口愛美利(えみり)ちゃん
=同市在住=が宿泊保育中に死亡した問題。
高熱などの症状を「放置」したことが死亡につながったとして、
保護責任者遺棄致死罪などで施設の関係者らを県警に告訴した両親は
19日、無念さをあらわにするとともに、
施設のずさんな保育実態を事前に把握しきれなかった行政の対応を批判した。



 告訴されたのは、施設の責任者やスタッフ3人と、施設の実質的な代表者の計4人。
この日、両親は代理人の弁護士とともに宇都宮中央署に
告訴状を提出した後、県庁で記者会見した。

 「明るくて手のかからない子だった。守ってあげられず悔しい」と沈痛な面持ちで話し、
「施設側は『下痢や発熱があるのに、なぜ連絡しなかったのか』と問い詰めても、
『様子を見ていた』の一点張り。きちんとした説明も、謝罪もない」と憤った。

 愛美利ちゃんが死亡した施設は、
児童福祉法が定める保育所に該当しない認可外保育施設。
市保育課によると、こうした施設は市内に19カ所あり、
設備やサービス内容などを記した運用状況報告書の提出が義務付けられているほか、
年に1回立ち入り検査を実施しているという。

 施設では、パンフレットやホームページで24時間預かりや夜間保育をうたい、
「看護師がおり、嘱託医とも提携しているので病気の場合も
迅速な対応が可能」などと宣伝していた。

 だが市に提出された報告書には、一時預かりのみで
夜間保育などは行っていないと記載され、看護師も常駐していなかった。
嘱託医として名前が挙げられていた医療機関は、
両親の問い合わせに対して「そんな事実はない」と否定したという。

 市は、愛美利ちゃんが死亡する以前に報告書の内容と
宣伝内容が違っているのを把握し施設側に指摘。
施設側は「対応する」と返答していたが、「事故」は起きた。

 市の担当者は「報告書に書かれた内容が本当に正しいかを
逐一確認するのは難しいのが現状」と明かすが、
両親は「違反車両を認識していたが、そのまま取り締まらずに走らせておいて
死亡事故を起こしたようなものだ」と話している。
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