保育園飛散問題 藤沢市が石綿専門委新設へ

カナロコ
------------------------------------------------------------------------------------------------
 藤沢市立浜見保育園で過去にアスベスト(石綿)の飛散が疑われた問題で、
市は元園児や元職員の健康対策を検討する専門委員会を新設する方針を決めた。
関連経費を盛り込んだ補正予算案は17日の市議会定例会本会議で可決され、
2015年1月早々の設立を目指す。
石綿にさらされていれば関連疾患を発症する時期に差し掛かり、
委員会では定期的な健康診断の進め方や発症時の補償の在り方を協議していく。

 石綿を体内に取り込んだ後、最短15年とされる潜伏期間を過ぎたための措置。
「市アスベスト関連疾患健康対策委員会」(仮称)と
「市アスベスト関連疾患判定委員会」(同)を立ち上げる。前者は弁護士らで構成し、
主に補償面のルールづくりが目的。
後者は医師がメンバーとなり、健診の進め方を決めるほか、
関連疾患を発症した場合に同保育園との因果関係を調査する。

 1972年に開園した同保育園は、遊戯室の天井に吹き付けの石綿を使用。
84年に用途を4歳児の保育室に変える際、
天井から天井板をつるす工事を行い飛散したとみられる。

 また、99年から2006年にかけては断続的に雨漏りも発生。
天井板を外しての調査や補修工事を実施し、その際に飛散した可能性もあるという。

 石綿が社会問題化して以降、市は責任を認め07年11月、
5年ごとの定期健診や万一発症した場合の補償を保護者らと約束。
84年の対象者56人については翌年に早速健診を行った。

 雨漏りに起因する飛散についても、来年度から順次定期健診をスタートする。
毎年健診を行う必要が出てくる上、8年間で計413人と対象も多く、
市は態勢を整えるために両委員会の設置を決めた。

 同様の委員会は、同じように公共施設での飛散が疑われる
東京都文京区や新潟県佐渡市、大阪府で設置された事例があるという。

 市行政総務課は「二つの委員会を設けることで、
今後、万一他の市有施設で明らかになった場合でも、
行政として迅速かつ責任ある行動が可能になる」としている。
------------------------------------------------------------------------------------------------