【こんにちは!あかちゃん 第21部】さぁ!新制度 選び方は<1>子育て施設 選択肢増

西日本新聞
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 来年4月にスタートする「子ども・子育て支援新制度」。
来月から多くの幼稚園で募集が始まるなど、
子育て世代の「保活」が本格的に動きだすが、
保護者にとってはいまだに分かりづらい。どんな施設をどう利用できるのか。
具体例を基に考えたい。

 「仕事をしたい」と思っている福岡市早良区の佐藤悦子さん(36)は、
新制度に期待する一人だ。
新制度では求職中でもパート勤務でも「保育の必要性」が認められ、
認可保育所や認定こども園が利用できるようになるからだ。

 佐藤さんは夫と長女(2)の3人暮らし。
東京から引っ越してきた昨秋、認可保育所を探したが、
空きがなかったため専業主婦になった。妊娠7カ月。
「2人目を出産した後は働きに出たい」と考えている。

 《新制度は保護者が働く働かないにかかわらず「すべての子ども」を対象にしている。
今ある認可保育所や幼稚園、認定こども園のほか、
「地域型保育」(家庭的保育、小規模保育、事業所内保育など)が新設され、
多様なサービスが期待されるが、利用できる施設は個人の状況によって異なってくる》

 チャート=図参照=を見てほしい。あなたの家庭はどれに当てはまるだろうか。

 佐藤さんが現時点で「求職中」となると、一番左の矢印をたどり、
認可保育所や認定こども園などを利用できる。
長女が3歳になると幼稚園の選択肢も増える。
幼稚園によっては独自に「預かり保育」を行っているところもあるので、
勤務時間が合えば利用できる。
下の子は、保育所や認定こども園のほか、より少人数で
0~2歳児を預かる家庭的保育や小規模保育などの「地域型保育」も選択肢に上がる。

 もし再就職を断念し、長女が3歳になれば、
長女を幼稚園に通わせ、下の子を自宅で育児する選択もある。

 《新制度の財源は、消費税増税による増収分から
年7千億円程度(2017年度から満額予定)を想定。
新制度に移行する施設は、この大きな“財布”から運営費などを受け取る。
一方、「収支の試算ができない」など新制度に移るのを見合わせている幼稚園や、
そもそも自主運営の認可外保育所は新制度下にないため、
手続きや利用方法にほぼ変更はない》

 5月に福岡市内にアロママッサージ店を開業した西村さとみさん(41)は
新制度を前に複雑な心境だ。
末っ子(4)が通う幼稚園は来春の時点で新制度に移行しない。
「(収入に応じて)保育料が安くなる認可保育所も良いけど…。
先生もよく知っているし、環境を変えて子どもに負担をかけたくない」と、
今通う幼稚園を移る気はない。

 福岡市東区の認可外保育所「SUKU・SUKU」に
長女(1)を預ける福岡県粕屋町の母親(37)は
「アットホームな雰囲気が気に入っている。保育士さんもベテランで安心」。
 さまざまな選択肢が広がるだけに、
自分に合った施設やサービスを見定める目を持つ必要がありそうだ。
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