子どもを食中毒から守る 予防の三原則「付けない」「増やさない」「やっつける」

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子どもの食中毒はひどくなると大変な事態を招く。
未然に防ぐための具体的なポイントや対処法を、
順天堂大学小児科教授で消化器が専門の清水俊明氏に教えてもらった。

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手にはさまざまな菌が付着しています。
調理や食事の前はもちろん、生ものを扱う前後、
調理中にペットを触ったりトイレに行ったりしたあとも、必ず手を洗いましょう。
生ものを切ったまな板や包丁はすぐ洗い、熱湯か台所用殺菌剤で消毒すると安心です。
生の肉や魚、卵には「細菌がいて普通」と考えて、
手やほかの食材に菌を付着させないようにしましょう。

細菌の多くは10度以下で増殖がゆっくりになり、
マイナス15度以下で増殖が停止します。
生ものやお総菜などは、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
夏場は、卵も必ず冷蔵庫へ。冷蔵庫内でも増殖はゆっくり進みます。
冷却の効率が落ちないよう、冷蔵庫の詰め方は7割までを目安にしてください。
また、ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するので、
肉や魚はもちろん、野菜も加熱して食べれば安全です。
「具の中心部が75度で1分以上加熱」が目安。
作り置きの料理を温め直す場合も、具の中心まで熱くなるよう、
沸騰させた状態で2~3分加熱しましょう。

細菌やウイルスは、ゼロにすることはできません。
神経質になるより、「細菌は、いるのが普通」と考え、
「付けない・増やさない・やっつける」の三原則を頭に置いて、
増殖をどこかで食い止めることが大切です。

それでも発症してしまった場合、子どもの食中毒で心配なのは脱水です。
嘔吐(おうと)や下痢、腹痛などの症状が出たら、
まずは水分を補給して消化のよいものを食べさせ、安静にして様子を見ましょう。
吐き気がひどい場合は、食べ物や吐物を誤って飲み込んで
気管が詰まる恐れがありますので、固形物はやめ、水だけにします。
下痢は体の防御反応ですから、下痢止めは飲ませないようにしてください。
二次感染を防ぐため、吐物や大便のついた下着や衣服は別にしてよく洗い、
トイレなどの消毒に気を配ってください。
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