子供を狙う犯罪続出 「地域社会をいかに安全にするか…」

msn産経ニュース
------------------------------------------------------------------------------------------------
 神戸市長田区の市立名倉小1年、生田美玲(みれい)さん(6)が行方不明になって6日。
兵庫県警は16日、同小を含む周辺8小学校で登校する児童らの
見守り活動を始めるとともに、約200人態勢で捜索した。
小学生が下校中に行方不明になったり、不審者に声を掛けられるなど、
事件に巻き込まれるケースが今年に入って相次いでおり、
専門家は「地域をいかに安全にしていくかを考える必要がある」と指摘する。

 今年1月、札幌市で小学3年の女児が学校から帰宅後に
自宅近くに買い物に出掛けたまま行方不明になった。
北海道警は2月、札幌市のアパートで面識のない男に監禁されていた女児を保護した。

 7月には岡山県倉敷市で、小学5年の女児が下校中に行方不明となった。
女児は以前から、不審な車につきまとわれるなどしており、
岡山県警は5日後、監禁容疑で男を逮捕、女児を保護した。
母親が不審車のナンバーを覚えていたことが逮捕の決め手となった。

 警察庁の統計によると、平成24年の略取誘拐事件の83%は子供が被害者。
犯罪被害に遭う場所としては住宅、道路、駐車場が多く、
小学生では公園が被害場所になる例が未就学児や中学生などに比べ高かった。

 東京都瑞穂町では7月、公園でひとりで遊んでいた小3女児に、
男が「あめを食べないか」と声をかけ、
あめと飲み物を口にした女児が意識を失う事件も起きている。

 子供の安全に詳しい千葉大の中村攻(おさむ)名誉教授は
「子供は地域の学校や公園に行き、地域の友達と遊ぶ。
地域社会で生きる子供を守るには、
地域社会をいかに安全にしていくかを考える必要がある」と指摘する。

 中村氏によると、地域の生活空間は犯罪が起きることを前提に作られていないうえ、
昼間は大人の姿がないなど「空洞化」も進む。
地域のコミュニティーも弱体化しており、
中村氏は「子供たちがどこでどんな危険な目に遭っているのかを
調査することが最優先だ」と助言する。
調査に基づき街灯の設置や樹木の刈り込み、パトロール強化などの
改善計画を立て、実行することが大事だという。
------------------------------------------------------------------------------------------------