横浜、川崎市 保育所の共同整備へ協定

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◆市境の用地を活用

 「連携して子育てしやすい街を」。
横浜市と川崎市が27日に締結した「待機児童対策に関する連携協定」。
市境を越えて保育サービスを利用する人が多い現状を踏まえ、
ともに待機児童ゼロを目指す両市が手を握った。
2016年4月をめどに川崎市幸区に共同の認可保育所を整備することや、
両市の保育サービス利用者に市境を越えて助成金を出すことが柱だ。
課題となっている保育士不足問題にも共同で取り組む。

 横浜市は昨年4月、待機児童数ゼロを達成したが、今年4月には20人に後退。
川崎市は昨年4月の438人から大幅に改善したものの、今年4月は62人だった。

 両市の市境付近ではこれまでも、市境を越えて保育サービスを利用する人が多く、
4月1日現在、横浜市の認可保育所に入所する川崎の子供は234人、逆は61人いた。
保育所がある側の市民に優先枠があるため、市外からの利用は難しいという。

 こうした状況を踏まえ、両市は16年4月をめどに
川崎市幸区に共同で保育所を整備する。
整備費の一部を横浜市が負担する代わりに同市民の優先枠が設けられる。

 両市によると、幸区と隣接する横浜市港北区、鶴見区には
4月現在で待機児童が計9人いるが、
保育ニーズが高まっている両区内では保育所用地は枯渇しているという。
一方、幸区の市境近くに候補地が見つかったことから、
両市の子供が入りやすい認可保育所が整備されることになった。

 両市の独自サービスである「横浜保育室」と「川崎認定保育園」についても、
横浜、川崎の両市民が市境を越えて利用する場合、
15年4月から居住地の市が助成金を出す。

 また、両市は12月13日、川崎市幸区のミューザ川崎で
保育士養成校の学生向けに就職セミナーを合同で開催するなど、
共同で保育士の確保策にも取り組む。

 協定書に署名した横浜市の林文子市長は
「市境の土地を有効活用し、お互いに利用しやすくするための環境整備を行いたい」と語り、
川崎市の福田紀彦市長も「今回の協定を契機として相乗効果を高め、
ともに子育てしやすい街を実現していきたい」と抱負を述べた。
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