子育て世代 呼び込む 「Komaクル」運営開始

大阪日日新聞
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 大阪市東住吉区の駒川商店街振興組合(名和安将理事長)と
大阪城南女子短期大(西川仁志学長)は
22日、買い物途中の子育て世代が商店街の空き店舗に立ち寄れる
無料スペース「Komaクル」の運営を始めた。
保育学科などを持つ短大側は貴重な実践の場として、
商店街側は客層を若い世代にまで広げるきっかけにと、
それぞれの思いを乗せて船出した。

 「ここは黒門市場みたいな観光要素はなくて、
本当に地元の人の生活を支える商店街」と話すのは
組合常務理事で青年部CEOも務める森田真規さん(46)だ。

 商店街は延長約780メートルに常時200~220店舗が入り、多くの住民でにぎわう。
空き店舗が出ても比較的すぐに埋まるが、
懸念は「購買層が高齢化してきている」(森田さん)こと。
子育て世代の呼び込みが課題だった。

 一方、商店街と同じ区内にある短大は、
これまでも組合の「ココロホール」で子ども向けイベントを
月1回開くなど学術連携した歩みがある。
専任講師で広報と地域交流担当の弘田陽介さん(40)に対し、
森田さんが空き店舗を使った子育て支援スペースの設置を相談したところ、
短大は、大阪府の「空店舗課題解決プランコンテスト
(商店街サポーター創出・活動支援事業)」に応募。
16案の中から優秀賞に輝き、委託事業費270万円を受けて運営することになった。

 「Komaクル」は元マッサージ店の空き店舗を活用し、
火曜日以外の午前と午後の二度、各90分間開放。
ソファ、本棚、おもちゃなどを設け、無料でゆっくり休憩できるほか、
短大生が一緒に遊ぶ日もある。
「お母さん同士がしっかり話せるよう、子どもをしっかり見てあげたい」
とは佐野和美さん(20)=総合保育学科2年=の抱負だ。

 保育や心理学の専門家ら短大関係者が子育ての悩み相談を受け、
ものづくりや読み聞かせなど特別プログラムの日も用意。
高野実央さん(19)=同=も「来春の就職まで実習機会がないので、
感覚を忘れないために積極的に関わりたい」とやる気十分に話す。

 月1度は交通量調査をして、子ども連れの通行人数の推移も把握する予定。
弘田さんは「地域に根差す大学の取り組みとして
先駆的な形になってくれたら」と意気込んでいる。
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