電子黒板 小中学校の6割で十分活用できず

NHK NEWS WEB
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パソコンと接続したモニターに動画や画像を表示したり
文字を書き込んだりできる「電子黒板」の利用状況を会計検査院が調べたところ、
導入された全国の小中学校のうち6割に当たる3700校余りで、
画像を動かすなどの機能が十分に活用できていないことが分かりました。

「電子黒板」は、パソコンと接続したモニターに動画や画像を表示させて動かしたり、
文字をタッチペンで書き込んだりするといった「特有の機能」を持ったデジタル教材で、
全国の小中学校で整備が進められています。
会計検査院は、電子黒板を導入した全国の公立の小中学校のうち
6200校余りを対象に、1か月に行われる授業の中でどれだけ利用したか調べたところ、
画像を動かしたり文字を書き込んだりするなどの
「特有の機能」を使った授業の割合が1割未満にとどまっていた学校が、
全体の6割に当たる3700校余りに上ることが分かりました。
さらに、このうち1600校では、学習教材をDVDで見るだけの利用にとどまり、
画像を動かすなどの「特有の機能」を全く使っていませんでした。
会計検査院が、電子黒板が活用されていない理由について、
各地の教育委員会を通じて教師9万人にアンケートしたところ、
「操作方法が難しい」とか「どう活用していいかイメージが湧かない」
といった意見があったということです。
会計検査院は文部科学省に対し、活用のしかたを検討するよう求めることにしています。

「特有の機能」とは

電子黒板が持つ「特有の機能」は次の3つです。
▽パソコンと接続したモニターに動画や画像を表示させて
拡大したり、図を移動させたりできます。
算数の授業などで図形を動かしながら説明するのに役立ちます。
▽また、タッチペンで重要な部分に印を付けたり、
文字や図を自由に書き込んだりできます。
▽さらに、通常の黒板は一度消してしまうと元に戻せませんが、
電子黒板だと表示していた画面を保存でき、
一度消したあとも前の授業を振り返るために再び表示させることもできます。
保存した内容を印刷して資料として配布することもできます。
このほか、子どもたちにタブレット端末を渡して
電子黒板と組み合わせれば子どもたちの回答を表示できるなど、
双方向の機能を使った授業にも活用できるということです。
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