【茨城】潜在保育士 県内2800人 復職希望

茨城新聞
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県、掘り起こしへ支援拡充

保育士の資格があるのに働いていない県内の「潜在保育士」のうち、
少なくとも2823人が職場復帰を希望していることが20日までに、県の調べで分かった。
待機児童問題を受けて保育の受け皿が拡大する一方、
保育士不足の解消に向け即戦力となる潜在保育士の掘り起こしが急務。
県は県保育協議会(水戸市)と連携して復職支援研修の開催や人材バンクの充実を図り、
保育の質と量の確保を目指す。

調査は7月、県内の保育士登録者2万4043人(3月末現在)のうち、
保育所で働いている人と65歳以上の有資格者を除く1万5709人を対象に実施。
5430人から回答を得た(回答率34・5%)。

職場復帰の意向を尋ねたところ、「保育士として働きたい」は2823人で、
全体の半数以上を占めた。「働きたくない」は1307人(24%)だった。

求人情報や復職支援研修に関わる行政などからの
情報提供を希望すると回答した人は3437人(63・2%)に上り、
県子ども家庭課は「予想以上に復帰に前向きな人が多い」としている。

県内の4月1日現在の待機児童は計227人と全国で16番目に多く、
水戸市やつくば市など都市部を中心に計12市町村で生じた。
県内では過去5年間に保育所新設などで約5800人分の定員増が図られたが、
共働き世帯の増加などで待機児童は一向に減らない。

国は2017年度末までに約40万人分の保育整備を掲げ、
幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園の拡充などを柱とする
「子ども・子育て支援新制度」が来春始まる。

小規模保育や一時預かりなども充実させ、
多様な保育ニーズへの対応を目指すが、
これを支える保育士の確保が喫緊の課題。
県保育協議会の石橋豊美副会長は「供給源の保育士養成校は
少子化のため定員増は考えにくい。
人材派遣会社に頼る保育所も少なくなく、
即戦力となる潜在保育士の必要性はますます高まる」と話す。

このため、県は保育協議会と連携して来年1月、
潜在保育士を対象にした復職支援研修会を水戸、土浦両市内で計4回開催。
復帰への不安軽減のため、最新の保育事情や衛生管理や
アレルギー、クレーム対応など実践的な内容を盛り込む。
参加費は無料で、希望者は実際の保育所で1〜3日程度の実習を積むこともできる。

また、保育士の再就職に関わる相談やあっせんを行う
県社会福祉協議会の福祉人材センターも活用。
保育所からの求人情報を吸い上げるとともに、潜在保育士のセンター登録を促し、
マッチング環境を整える方針だ。
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