福島の子供、6学年で肥満傾向が全国ワースト

YOMIURI ONLINE
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 23日に公表された文部科学省の2014年度学校保健統計調査(速報値)では、
福島県内の児童・生徒(5~17歳)のうち六つの学年で、
肥満傾向児の割合が全国で最も高かった。

 東京電力福島第一原事故の影響で子供たちが
外遊びを控えた影響が続いているとみられる。
県教委は、全国体力テストの結果や食習慣を記録する手帳の配布や
子供向け体操の普及を進め、肥満解消の取り組みを強化する。

 調査は4~6月、全国の幼稚園と小中学校・高校の児童・生徒から抽出して実施。
県内では全体の約30%に当たる6万2685人を対象に行った。

 肥満については、身長別標準体重などから割り出した
肥満度が20%以上の子供の割合を調べた。
県内では小学生の6、7、9、11歳と中学生の12、13歳で肥満傾向の割合が全国で最も高く、
ほかの年代も全国平均を上回った。
男女別では、男子は9歳が17・34%(全国平均8・89%)、
女子は13歳の13・78%(同7・89%)が最も高かった。

 原発事故を受けて屋外活動を制限した県内の公立学校の割合は、
11年6月の約57%から、昨年5月には2%(16校)に減った。
ただ、県教委は「外で運動する機会が減り、
室内遊びの習慣がついてしまったことも要因ではないか」と分析する。

 県教委や各学校は対策を強める。
福島市立平石小学校では23日、ジャージー姿の5、6年生6人が、
太鼓のリズムに合わせて跳びはね、
手足を床について腰を浮かせて進む「クモ歩き」をするなど、
約5分間の体操に取り組んだ。

 この運動プログラムは県教委が体育の授業用に考案し、
昨秋、DVDを公立学校に配布した。
6年生の女子(12)は「最初は転ぶこともあったが、
慣れると楽しく運動できる」と笑顔を見せた。

 新年度には、小学4年~高校1年の児童・生徒を対象に、
全国体力テストや健康診断の結果、食習慣などを記録する手帳を配布する方針だ。
記録した内容を基に運動や健康に関する授業を行い、
家庭でも生活改善などを話し合う機会を設けてもらう。

 県教委の担当者は「楽しく分かりやすい方法で
運動習慣が身に着く取り組みを進めたい」と話した。
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