RSウイルス、特定の遺伝子を持つ赤ちゃんで重症化、環境も影響、有力医学誌の報告

Medエッジ
------------------------------------------------------------------------------------------------
気管支炎や肺炎が重くなる場合の特徴を突き止めた


 RSウイルスは、赤ちゃんから幼児にかけて
気管支炎や肺炎を引き起こすので今年猛威を振るっているウイルス。

 RSウイルスの感染に影響を与える環境的要因と
遺伝的要因を明らかにする研究が行われた。

RSウイルス感染の2%で入院

 アルゼンチン、ブエノスアイレスのインファント財団を中心とする研究グループが、
有力医学誌、ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション誌オンライン版で、
2015年1月2日に報告したものだ。

 RSウイルスに感染した赤ちゃんの30〜70%が細気管支炎になり、2%が入院する。

 しかし、なぜ一部の赤ちゃんが重症化するのかは不明だった。

 この研究では、このウイルス感染と関連する、患者の遺伝因子と環境要因を検討した。

細菌の成分で重症化しやすく

 その結果、環境要因として、身体の免疫機能を活性化させることが知られている
細菌成分「LPS」(リポ多糖)が浮上した。

 感染した子がこのLPSにどの程度さらされているかが影響していた。

 さらに、細胞表面で病原体やLPSを感知するタンパク質「TLR4」の
遺伝子タイプ次第で重症化するかどうかが決まっていることも分かった。

呼吸器の分泌物にも特徴

 さらに、重症化した赤ちゃんでは呼吸器から分泌される物質の中にも特徴があった。
免疫機能に関与する2種類の小分子の比率、IL-4/IFN-γの数値が高かった。

 これらの分子が病気の治療の鍵となる可能性もある。

 元々細菌にさらされやすい環境にいたりする場合は、
より気をつけるといった対応につながるかもしれない。
------------------------------------------------------------------------------------------------