コントで愉快に生活指導 神戸・名谷小 児童に好評

神戸新聞NEXT
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 神戸市垂水区の名谷小学校(児童数447人)が、
替え歌やコントを活用したユニークな生活指導に学校を挙げて取り組み、
児童の心をつかんでいる。
毎週月曜日の朝礼で披露し、「うがいの徹底」「元気なあいさつ」など
1週間の目標を効果的に伝達。
かつては授業中に立ち歩く児童もいた同校だが、
現在は集中して授業に取り組んでいるという。(那谷享平)

 「せーの、ミョウダニーズ!」。全校児童が叫ぶと、
同小の3人組のマスコット「ミョウダニーズ」のかぶり物を着けた教諭たちが登場。
手洗いやうがいの身ぶりで笑いを誘った。
すかさず司会役の教諭が「今週の目標は『外遊び 手洗いうがい 元気な子』です」。

 同小は毎週月曜日の朝礼で、児童に1週間の生活目標を発表する。
ユニークな発表が始まったのは約5年前から。
児童が学校のルールや規則正しい生活の大切さを意識できるよう、
数人の教諭が五七五の標語や歌を取り入れたのがきっかけだ。
これが子どもたちに“大ウケ”。以来、有志の教諭が不定期で続けていたが、
2013年春から恒例行事になった。
現在、教諭24人が3班に分かれ、2週交代で担当。
金曜日の放課後には、職員室で前回の反省とネタ作りをする。
約10分の持ち時間で児童の関心を引こうと頭をひねる。

 プロレスラーの物まねやギターの弾き語りなど、発表形式は多彩。
夏には校内放送で「ワシはプールの魔王だ。
プールサイドで走ったら水を全て抜いてやる」と呼び掛けた。

 良い発表の指標は、週末に子どもが目標を暗唱できるかどうか。
反対に子どもの反応が薄いと、
朝礼後の職員室で「照れがあったから“滑った”」など、
容赦ない指摘が飛ぶこともあるという。

 今年、特に好評だった発表がある。児童が廊下を走らないよう、
女性教諭がコーン標識を手に「歩(ある)コーン、歩コーン」と
人気ディズニー映画の替え歌を熱唱。その日からコーンを廊下に置いた。
生活指導担当の春寿宜(はるひさのり)教諭(34)は
「廊下を走る児童に向かって歌うと、素直に歩いた。
怒らずに生活態度を改められた」と絶賛する。

 朝礼について6年の女児(12)は「面白いし、目標が覚えやすい。
特に低学年にすごく人気です」。

 成果は他にもある。辻本美樹子教頭(49)は
「先生たちの真剣な態度を見て、
子どもたちも怖がらずに発表するようになってきた」と話している。
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