【秋田】子供のネット被害防げ

YOMIURI ONLINE
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 インターネットが利用できる通信機能付き携帯ゲーム機や音楽プレーヤーが普及し、
携帯電話・スマートフォン(スマホ)だけでなく、
子供の犯罪被害に注意が必要な状況が広がっている。
県教育委員会は「早い段階から情報モラル教育が必要」とする一方、
「保護者がネットや端末について『知る』ことが
被害の抑止力になる」と父母らの啓発も進める。
音楽プレーヤーを介して被害に遭った生徒も出ており、
県警なども被害防止策を講じている。

 「ネットカフェから書き込みをした人物は特定できない?」「正解は×」

 秋田市のJR秋田駅東口アルヴェで今月上旬、県警などが
中高生や保護者に正しいネット利用を呼びかける
街頭キャンペーンを実施。中高生らにタブレット端末でクイズゲームを体験させ、
ネットモラルを説明した。保護者にはゲーム機などでもネット利用が可能と説明し、
有害サイトの閲覧を制限するフィルタリング設定を勧めた。

 県教委によると、高校生の携帯電話・スマホの所持率は
2012~14年度、98%前後で推移しているが、
ネット利用に便利なスマホの所持率が上がっており、
13年度の72・5%から14年度は92・3%に急増した。

 別の調査では、小学4~6年生と中学生の携帯電話・スマホの所持率は、
12年度に小学生が12・1%、中学生が22・7%だった。ところが、
通信機能付き携帯ゲーム機などを含めて持っているか聞いた13年度には、
小学生75・8%、中学生67・9%と激増。14年度はさらに増えた。

 ネット利用の目的は、小中高生とも画像・動画の閲覧が最も高く、
次いで小学生はゲーム、中学生はLINEなどのコミュニケーションアプリ、
高校生は情報やニュースの検索だった。

 県警少年課によると、昨年、県内の未成年者がネットを介して
犯罪の被害に遭い、児童買春・児童ポルノ禁止法違反や
県青少年健全育成条例違反の疑いで容疑者を逮捕・摘発したのは8件。
被害者は全員女子で、中学生が4人、高校生が4人だった。
このうち中3の1人は携帯音楽プレーヤーからネットに接続して男と知り合い、
被害に遭った。

 県教委は、学校の授業でネットやメールの利用法を指導したり、
保護者向けの出前講座を開いたりして、情報モラルの啓発に努めている。
出前講座は、昨年4月から今年1月までの間に109回開いた。
受講者は前年度同期比2倍強の延べ1万2688人に増加し、
保護者らの関心の高まりを表している。
県教委の担当者は「家庭でもネットの利用法やルールについて
話し合うことが大事だ」と親と子の対話を促している。
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