幼稚園考案「シートベルトして」体操

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 小山署と私立羽川幼稚園(小山市)が協力して、
園児が大人にシートベルト着用を呼びかけるオリジナル体操を考えた。
園児のかわいらしい踊りと元気な呼びかけで、親や祖父母たちの意識が高まるはず、
との期待がある。
関係者の願いは、ほかの幼稚園や保育園にも広げ、
シートベルト未着用による不幸をなくすことだ。

 「シュッ シュッと簡単 カチッ と安全」

 羽川幼稚園の園庭で、ピアノの演奏に合わせて大声で歌いながら、
体操する約200人の園児たち。シュッ シュッと言いながら
忍者が手裏剣を飛ばす動き、カチッの部分では刀をサヤに納める格好をする。

 歌詞には、園児にもよくわかるようシートベルトを締める音などに擬音語を多用。
体操には、その擬音語から連想しやすい動きを採り入れた。

 小山署からの協力依頼を受けて園が今月初めに完成させたのが、
この「必ず! シートベルト体操」。園では毎日、どの組でも体操を練習している。

 県内で昨年、交通事故で死亡した102人のうち、
シートベルト未着用だったのは21人。
大半の17人は着用していれば助かったとみられる。
そこで県警は今年から、2月を「シートベルト対策強化月間」として啓発を強めている。

 強化月間を前に、有効な呼びかけ策を探っていた小山署の交通総務課は、
テレビアニメ「妖怪ウォッチ」で流れるダンスが子どもに大人気なことに着目。

 「あどけない子どもや孫が踊りながら訴えかければ、
効果てきめんだろう」と、ふだんから交通安全運動に協力的な羽川幼稚園に声をかけた。

 出来上がった体操は園児に大好評。
みんな楽しそうに練習しており、年長の川村優月ちゃん(5)は
「おばあちゃんの前でも踊ってみたよ。シートベルトをしっかり締めようと話したよ」。

 作曲と振り付けのアイデアを振り絞った鈴木陽子副園長は
「一から作ったので大変だったが、
子どもに受けるものをうまく作ることができた」と満足顔だ。

 作詞を担当した交通総務課の加藤雄己係長は
「園児たちもうまくなってきているし、
啓発活動など大勢の前で踊っても大丈夫なくらい上出来」とにんまり。

 これから、春の交通安全運動などで披露してもらい、
市内のほかの園にも広めていくという。

 羽川幼稚園の鈴木隆作園長は「CDを作って、どんどん普及させたい」とし、
同課も「広く知ってもらい、シートベルト着用100%をめざしたい」と意気込んでいる。
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