「認可保育所 定員増を」 待機児童対策 父母ら中野区に要望

東京新聞
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 認可保育所へ子どもの入所を求める中野区の父母らが
二十五日、入所できない子どもの分の保育枠を確保する緊急保育室の設置や、
認可保育所の定員増を求める要望書を区に提出した。
千五百四十三人分の署名も手渡した。
四組の保護者は行政不服審査法に基づく異議申し立てを行った。 

 中野区では二〇一五年度、認可保育所に千八百四十二人が申し込んだが、
現段階で約四割に当たる七百四十六人が入所できていない。

 要望書と署名を提出したのは区内の父母らでつくる
「中野区の待機児童を減らす会」のメンバーら。
「利用したい保育事業は認可保育所が第一位で、
希望の職場復帰時期は子どもの一歳時が多い」として認可保育所の建設と
特に一、二歳枠の定員増などを求めた。

 「必要とする人が必ず入れるように」。四月に職場復帰する予定の
会社員冨田皓子(ひろこ)さん(31)は一歳の長男について
認可十四施設に希望を出したが入れなかった。
認証保育所にも空きがなく、無認可保育所を検討しているが、
「園庭のある認可に通わせたい」。
夫で会社員の剛(つよし)さん(33)も
「妻はせっかく正社員で働いてきた。
保育園の事情で辞めるようなことは避けたい」と話した。

 生活保護を受けているシングルマザーの無職渡辺有美子さん(34)は
三歳の次男が入所できなかった。
「働きたいが、次男を預けなければ働けない悪循環。
区には個々の生活状況に臨機応変に対応してほしい」と訴えた。

 区は新年度予算案で二〇一六年四月までに、
認可保育所や小規模保育施設の開設などで
三百九十四人の定員増を発表している。 (杉戸祐子)
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