伊那市 保育料軽減を拡充 「出産祝い金」全市対象に

Nagano Nippo
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 伊那市は来年度、子育て支援策を強化する方針を固めた。
3人以上の子どもに対する保育料を軽減するほか、
3歳以上の園児を対象に延長保育料を半額に。
高遠町と長谷地域に限定していた出産祝い金制度を、
旧伊那市地域にも設ける。子育て世代が暮らしやすい環境を整えるとともに、
充実を図る保育や教育の内容も積極的にアピールして、
子どもや子育て世代人口の増加に結び付けたい考えだ。
関係する事業費を来年度一般会計当初予算案に計上。
市議会3月定例会に上程する。

 子ども3人以上の多子世帯の保育料について、
市はこれまで、きょうだいが同時に通園している場合に限り、
保育料を2人目は半額、3人目は無料としていた。
来年度からは県の支援策に上乗せする形で、
同時通園でない場合も支援対象に追加。
きょうだいが高校生以下の場合に、第3子は月額8000円減額、
第4子以降は無料とする。

 また共働き世帯への支援として、3歳児以上の延長保育料を半額にする。
今年度、3歳児以上の約3割が延長保育を利用しているという。

 さらに市子育て支援課に、園長級の保育士を新たに
子育てコーディネーターとして配置。
保護者の相談に応じるほか、保育内容の向上や周知を図る。

 従来は人口減少が著しい高遠町と長谷地域に限定して設けていた出産祝い金制度も、
旧伊那市地域に拡大する。
過疎対策として高遠町・長谷は手厚く第1子から対象としているのに対し、
旧伊那市地域は第3子からが対象。
金額も高遠町・長谷よりは少ない第3子2万円、第3子以降5万円とした。
ただ地域間格差が生じることもあり、白鳥孝市長は23日の会見で
「高遠町、長谷の検証を行い、
全体として見直す必要も検討したい」との考えも示した。

 同市は昨年末、田舎暮らしの魅力を紹介する月刊誌のランキング企画で
「子育て世代にぴったりな田舎部門」全国1位に選ばれた。
新年度はこのフレーズをそのまま主要な取り組みの柱の一つに位置付け。
イメージ確立による子育て世代の獲得を目指す。

 新年度事業で金銭面から子育て世代を支える施策を打ち出した形だが、
白鳥市長は「体験的な学習や食育、学校ごとの特色ある学習、保小連携など、
保育や教育の質の高さこそが伊那市の特徴」と強調。
「今回の支援策の充実を機に、こうした『中身』を改めてしっかりと周知し、
トータルで『もう1人産みたい』『移住したい』という人を増やしたい」と話した。
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