<被災保育所再建>隣接校との災害時連携強化


河北新報
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 宮城県亘理町は、東日本大震災で被災した
荒浜保育所(定員60人)と吉田保育所(70人)の
新園舎を津波被害が出た以前と同じ地区内に再建した。
共に高台が遠い地形にあり、災害時に園児らの安全をいかに守るかが大きな課題。
敷地のかさ上げに加え、隣接する小学校と連携して万全の備えに取り組む。

 両保育所は震災の津波で園舎が全壊したが、
園児らは隣接する小中学校に避難して全員無事だった。
この教訓から、荒浜保育所は荒浜小、吉田保育所は長瀞小の隣接地に建設。
災害時には、鉄筋3階のそれぞれの校舎に一時避難する。
校舎内には粉ミルクやおむつなどを備蓄。両校と共同の避難訓練も実施する。
 両園舎の敷地は津波被害を軽減するために1メートル前後かさ上げし、
調理室で炊き出しの対応も可能にした。
 吉田保育所の鈴木由美子所長は「震災の経験を踏まえ、
町や小学校と連携していく。以前より安心できる」と強調。
荒浜保育所親の会の熊坂恭子会長(32)も
「子どもたちが元気で楽しく安全に過ごせればいい。
不安はあるが、乗り越えていく」と信頼を寄せた。
 新園舎は共に鉄骨平屋。延べ床面積は吉田保育所が682平方メートル、
荒浜保育所が557平方メートルで併設する荒浜児童館が426平方メートル。
総事業費9億6240万円は国の災害復旧費も活用した。
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