待機児童問題解消に「公園」が注目を集めています。

FNN
------------------------------------------------------------------------------------------------
都市部では、近年、一向に減らない待機児童の深刻さが問題になっています。
今、その待機児童対策として、街中にある「公園」が注目を集めているということで、
その背景に迫りました。

26日午前、東京都内で行われた保育園の開所式。
この保育園は、住民が多い、地域の「分園」に子どもを預け、
そこから、より敷地の広い「本園」にバスで送迎するという新しい形式の保育園。
このように、待機児童対策として、今、さまざまな保育園の在り方が議論されている。
東京都の舛添要一知事は1月、「公園を規制緩和して、
公園の中に保育所を作るというようなことも、
今から新しい手法として考えたい」と述べていた。
土地の確保が難しい首都圏では、保育園が少ないことに加えて、
園庭がない保育園が数多くあることが問題になる。
そのため、子どもが遊べ、土地も確保できる公園に保育園を作ることが、
今、検討されている。
子どもを持つ母親は「近くで遊べる場所がありますし、
この子を迎えに来てから、また遊べたりとか、
すごくプラスになると思うので」と話した。
しかし、公園内の施設設置基準を定めた都市公園法では、
遊具などの設置は認めているものの、保育園などは設置できない。
そのため政府は、地域を限定して規制緩和を行う「国家戦略特区」で、
公園内に保育園を設置することができるよう、
今の国会に提出する「特区法改正案」に規制緩和策を盛り込んだ。
そんな中、すでに公園に保育園がある自治体があった。
渋谷区の恵比寿公園内には、ブランコや滑り台などの遊具があるが、大きな保育園もある。
渋谷区では、都市公園法では禁止されているものの、
区内の3つの場所で、公園内保育園を設置している。
区の担当者は「公園の供用停止措置をとっていて、暫定利用だ」と説明するが、
現行法ではグレーゾーンとも語るなど、いわば苦肉の策。
また、こんな意見もあった。
周辺住民は、「緑がなくなっちゃっているじゃないですか、建物が建っているので。
だから、ちょっと憩いの場としては、住民としては若干物足りないんですけど」、
「保育園ができるのは、もちろん足りないっていうからいいと思うんですけれども。
花壇なんかがあって、きれいだったんですよ。
それが花壇もなくなってしまって」などと話した。
公園は、震災時などの避難場所や小学生らの遊び場になる。
待機児童対策との両立はなかなか難しいのでは、という声も上がっている。
国家戦略特区を所管する石破地方創生担当相は24日、
「だからこそ特区なんですよね。これはね。
どうなんだろうかということを、実際にやってみる。
いろいろな仕組み、あるいは習慣等々が、時代に合わなくなっているという
危機感を持っているわけです」と述べた。
はたして、「特区」での試みは、広く受け入れられるのか。
今後、待機児童対策を進めるためにも、時代にあった公園の在り方について、
議論を深める必要があるとみられる。
------------------------------------------------------------------------------------------------