「こどもの国」50歳に

50年を振り返る秋山さん

タウンニュース
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 こどもの国=奈良町=は5月5日、開園50周年を迎える。今春には開園からの有料入場者数が4140万人を超えた。都心からおよそ30Km圏内ながら、広大な自然を生かした遊び場として、多くの人に親しまれている。

 同園は現天皇陛下のご成婚を記念して寄せられたお祝い金をもとに、青少年の健全育成のための施設として誕生。開園時、約59万人だった年間入園者数は昨年、84万人に達し、過去21年間で最多となった。

 田奈町在住の元職員、秋山博さん(67)は、48年前に学生ボランティアとして初めて同園に携わるようになった。当時を振り返り、「昔から家族連れが多かったが、低学年の子だけで遊ぶ姿も目立った。まだ遊具は少なく、広場で寝転がったり自由に遊んでいた」

 開園以前の敷地は弾薬庫等として使用されていたことから、学徒動員により、弾薬の製造や運搬に携わっていた当時の学生が訪れることもあった。20年以上前にはアイドルグループ「SMAP」のイベント会場になったことも。「長津田駅でこどもの国線改札が人数制限されるほど女子高生が集まった」と、当時を思い出す。園内は次第に遊具が整備され、子どもの遊び方も変化したと感じる。「開園当初から、子どもが自分で考えて遊ぶことがテーマだった。環境は変わってきたが、自分の意志で行動できる子に育ってほしい」。秋山さんは今も、自然保護ボランティアとして園と関わり続けている。

 開園記念日には、5000個の風船を子どもたちが一斉に飛ばす、バルーンリリースも予定する同園。三国治園長は「自然の中で体をつかって遊ぶ大切さが理解されてきたと感じる。『遊び』と同様、『学びの場』となる企画も増やしていきたい」と展望を語った。

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