幼稚園で朝食も 世界の子育て・イラン編:3

写真・図版

朝日新聞
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■神田美貴さん(34)
 5歳と2歳の息子は、地元の私立幼稚園に通っています。外国人は息子だけです。イランでは幼稚園だけは男女一緒に通い、服装制限もないのですが、その後は男女で分かれます。
 多くの幼稚園では、昼食だけでなく朝食も出されます。
 メニューは「パン、バター、くるみ、紅茶」といったパンの日が多いです。レンズ豆のスープやスクランブルエッグ、コーンフレークの日もあります。
 朝食はイランでも大事なものとされていて、「親が働いていて家で食べる時間がない子どものため」「友達と一緒の方がよく食べる子がいる」「社会生活の訓練の一つ」などの理由があるようです。
 昼食は、インゲン豆と羊肉のトマト味ピラフやケバブといった、定番のイラン料理がたくさんです。
 このほか、午前と午後にスナックタイムと呼ばれるおやつの時間があり、牛乳やビスケットなどを持っていきます。息子たちは自宅でも朝食を食べたがるので、家で朝食、幼稚園で朝食、午前のスナック、昼食、午後のスナックと、何だか食べてばかりいる印象です。
 イスラムの教えの影響か、何でも分けあいます。イスラム教では、相互扶助が徳目とされています。食事のとき近くに誰かがいたら、まずその人に「どうぞ」と勧める文化があるのです。
 友達におやつをもらったことで、長男はケーキのおいしさを覚え、次男はピスタチオが大好きになりました。
■英語教育に熱心
 イランの公用語はペルシャ語ですが、幼稚園では英語教育に熱心です。息子が通う幼稚園では、午前中の授業は英語で行われます。
 一番多く使うのはもちろんペルシャ語で、書く練習もしているようです。イスラムの国らしくコーランも教えられています。長男はペルシャ語の詩を暗記してきますし、簡単な会話なら難なくこなすようになりました。
 加えて、選択制でフランス語や空手、音楽、水泳のクラスもあって驚きでした。
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 イラン在住1年半。夫は朝日新聞テヘラン支局長で、息子は5歳と2歳。ブログ「特派員ママ@イラン」を公開中。
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