「たんぽぽ」石狩市初の小規模保育事業所に

小規模保育事業所の開所を祝う会で卒園者や保護者と談笑する二ツ川園長(中央)




北海道新聞
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【石狩】石狩市内の産休明け保育の先駆けとして知られる石狩共同乳児保育園たんぽぽ(花川南6の2)が、市の認可を受け、4月から3歳未満児を預かる市内初の小規模保育事業所「石狩たんぽぽ保育園」として再スタートを切った。1979年の開所以来、念願だった認可保育事業への移行で、19日には保護者らによる祝う会が開かれた。
 「皆さまのおかげで今日という日を迎えられました」。同園の二ツ川佳子園長(66)があいさつで感謝の言葉を述べると、会場は大きな拍手に包まれた。同園近くの花川南会館で開かれた祝う会は、保護者らが園長や保育士の労をねぎらおうと企画し、卒園者ら約70人が顔をそろえた。
 前身の「たんぽぽ」は、出産後も母親が働き続けたいと希望しても、市内に子どもを預ける場所がないことを知った二ツ川園長が、生後57日目からの乳児を預かる市内初の産休明け保育園として開設。民家の一部を借り、認可外の保育施設として保育士2人、乳児4人で始めた。
 約20年前に現在の園舎を建てるまで、園児の増加に応じて市内の借家を転々とし、そのたびに保護者らと協力して清掃や改修を行った。二ツ川園長は「運営は大変でしたが、働くお母さんの元気な笑顔を見るのがうれしかった」と振り返る。
 待機児童解消を狙い、4月から始まった国の「子ども・子育て支援新制度」で、3歳未満児に特化した小規模保育事業(定員19人以下)が新設され、今年2月、市から同事業所の認可を受けた。3歳以上の幼児も、認可外保育園として引き続き預かっている。
 小規模保育事業所の開設に伴い、これまで年間約300万円だった市からの補助金が、子どもの数に応じて国と道、市から年間2千万~3千万円に拡大する。
 これまでに同園が預かった子どもは1200人以上。祝う会で卒園者らに囲まれた二ツ川園長は「長く一緒に頑張ってくれた保育士の待遇改善や、安定した経営が可能になる。これからも働く親の支えになりたい」と話した。(山中いずみ)
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